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キャリアデザイン

仕事007「帽子デザイナー」

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帽子デザイナー

趣味で始めた帽子作りがビジネスに。
さらに、偶然の出会いからパリコレへ。

ホーナー美祈さん(旧姓 島瀬) [普通科 1995年卒]

短大卒業後、商業施設の企画運営、秘書などを経験。2008年サロン・ド・シャポー学院帽子科入学、帽子作りを学ぶ。2010年にhat shimasse設立、オーダー帽子販売開始。2015年、ヨージヤマモト2015秋冬パリコレクションにデザイナー・ワビ氏とのユニット「WHAT」として起用される。

趣味が広がりビジネスへ

昔から帽子が好きで、趣味として自分が楽しむために作っていました。30歳の時には、本格的な帽子作りを東京で学びました。

それからは友人のクチコミなどでオーダーを受けていたところ、30代半ばで札幌に戻ってから、帽子作りが本格的に忙しくなりました。

たまたま被っていた帽子を褒められ、お店に商品として置かせてもらったり、偶然に仕事になったりする時も。趣味からビジネスになっていって、ドキドキしながら作っていました。

 

「一緒にやろう」とパリコレへ

そんな時、ある飲食店で、偶然隣に座った男性が帽子職人を探していたんです。お店のマスターが気を利かせて、私を紹介してくれました。その男性は札幌のデザイン事務所代表で、最初の注文はその方個人用のオーダー。「盆栽」というキーワードをもらいました。型からつくっていくんですが、相手がデザイナーだから厳しくて。5mm単位で調整して難しかった。1年くらいかかりました。

その方からの仕事でパリコレへ。世界的ファッションデザイナーのコレクションに帽子を出品しました。「一緒にやろう」と言われてうれしかったですね。それも盆栽型の帽子でした。

パリコレの現地にも行きました。そこを目指していたわけではないので、行こうかどうか迷いましたが、服飾関係の友人から「限られた人しか行けないんだから」と言われて行ったんです。ファッション雑誌そのままでした。現地に行って、ありがたさを実感しました。

 

子どもを持って仕事も変わった

▲型作りから帽子を制作しているホーナーさん。細かいフォルムを出すには専用の素材を使い、5mm単位で調整する

帽子のオーダーを受けるとき、まずはお客様の希望と、その方の好きなものなどをお聞きします。お顔を拝見して、イメージをふくらませて提案します。そして微調整、それは何回でも。そこが楽しいところです。

外にあまり出たくないというおばあちゃんへの贈り物で、頭に負担のかからない軽い帽子を頼まれたことがあります。裏地を薄い布にして、メッシュ素材やチュール素材みたいなものを入れて工夫しました。

いま、子どもが1歳11カ月で、子ども優先。仕事は抑えめに頑張っています。子ども用の帽子も作ってみたい。子どもを持ったことで仕事も変わりましたね。

 

まず、自分を信じて輝くこと

多感な時期を北星女子で過ごせたことはよかったと思います。スミス先生の精神や聖書の言葉が自分の根底にあります。「暗い世の中の星になれ」。自分が輝いていたら、いいことは後からついてくるんだな、と思っています。

ものづくりを目指す方へ。まず、自分を信じること。私は出会いに恵まれていたけど、出会いを探していたわけでもないし、信じていたらこうなりました。やりたいことがあったら没頭すること。そうしたら楽しいし、頑張ることが苦じゃない。他の仕事で辛いのとはちょっと違う。好きだからしょうがない、みたいな感じです。プレッシャーで潰れそうなときもあります。イメージはあるのにできない時、悩んで、負けたくないから何度も挑戦して。そしてできたときがうれしい。その喜びに尽きますね。

 

※記事中の所属・役職等は2018年2月、本校制作の冊子『130人の私が輝く仕事』掲載のものです。

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