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仕事006「大学生・NGO代表」

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大学生・NGO代表

ネパールの教育の「質」を高めたい。
さらに自分も教育者を目指していく。

長尾 海さん [英語科 2014年卒]

北星学園女子高等学校英語科在学中、異文化理解に興味を持つ。カナダ、アメリカへ留学、国際間の異文化理解を促進する方法を考えるようになる。東京の大学に進学した2014年夏、ネパールの教育支援のためのTAPを設立し活動中。また、教育者を目指し、東京大学大学院へ進学予定。

ネパールの教育の「質」を高める活動

高校時代、アメリカと日本を結ぶ外交官になりたいと思っていました。大学ではネパールを支援するサークルに加入して現地を訪問。ものすごく笑顔があふれていて、人と人との絆があることに惹かれました。しかし、子どもたちが学校に通うことができないという現状を知り、「ネパール教育 開発・支援NG0 TAP-smile for Nepal-」を設立。大学生活と両立させながら代表を務めています。

ネパールはいまだにカースト制度の影響があります。カーストが低いと将来の職業が決まってしまうので、子どもが学校に来なくなり、貧困のサイクルから抜け出せない状況。変えていこうと先生たちに働きかけています。

ネパールでは教師の社会的地位が低く、どうして教師をやっているのか聞いても「お金がもらえるから」。子どもは一日一日必死に学びに来ているのに、先生の意識が変わらないと意味がありません。教師が変わると教育の「質」が変わる。それが子どもたちに影響して学校全体が変わる。家庭や親の意識も変わる。そして地域全体で学校を盛り上げていくことを目指していますが、まだまだです。

 

クラウドファンディングにも挑戦

▲「教師育成セミナー・シンポジウム」で、学校が勉強を教えるだけではなく、「人」を育てていると講義した長尾さん

ネパールで教師のトレーニングを目的にした「教師育成セミナー・シンポジウム」を開催するため、クラウドファンディングで資金を集めました。インターネットで集まるのか不安でしたが、最終的に目標額を達成し勇気づけられました。

会場に集まったのは農村地域の先生が73人。バスに乗ったり、山道を歩いたりして10時間もかかる地域の先生たちです。教師や学校の役割についてのディスカッションもしましたが、先生たちは「学校は勉強を教えるところでしかない」と思っていて、「人を育てるための学校」について講義。「こんな講義を受けたのは初めてだ」という感想を聞きました。

 

両親とネパールの影響で教育者を目指して

もともと両親が教師で、休日も仕事のことを考えているのを見たり聞いたりして、教師に対するイメージはありました。養護学校の教師である母は、ふだん泣かないタイプですが、あるとき生徒の劇を観て号泣。そこに教師としての母を感じて憧れ、大学に入って教職課程を取ったんです。

そしていつのまにか、自分も教育者として教壇に立って仕事をしていきたいと考えるようになりました。ネパールに出会って、自分が変わってきたことに驚いています。教師は子どもたちにとっていちばん近い職業。いろんな可能性があって、子どもたちにいろんな世界を見せることができます。まずは、自分自身が魅力ある人間でありたいと思います。

 

「他者と共に生きる」を実感

北星女子では、英語力を鍛えられました。1年間の留学から戻ってきた時は、先生たちがバックアップのために尽くしてくれました。

北星女子で大切にしている「他者と共に生きる」。ネパールに行って、誰かのために何かをする、誰かと共に生きる、日本だけじゃなくみんなで生きていくためにはどうしたらいいんだろうと考えました。この学校を選んでよかった。そして教育実習で北星女子に帰ってくることができてよかったと思っています。
※2017年北星女子で教育実習生として活躍

 

※記事中の所属・役職等は2018年2月、本校制作の冊子『130人の私が輝く仕事』掲載のものです。

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