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キャリアデザイン

仕事005「フリーアナウンサー」

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005

フリーアナウンサー

コンプレックスだった
低い声を活かして、
主役を引きたてる司会でありたい。

佐藤 千草さん [普通科 1996年卒]

北星学園女子中学高等学校卒業後、ホテルのフロント係として4年間勤務。その間に20歳で結婚、22歳で退社。23歳で長男、27歳で次男出産。28歳でフリーアナウンサーを志し、司会者養成所で学ぶ。29歳で司会業デビュー、ファッションショーやイベント、結婚式の司会などで活躍中。

子育てしながら、司会者養成所へ

北星女子では目立ちたがりやで、修学旅行や卒業謝恩会で司会をして仕切っていました。今の仕事のきっかけは、子どもを連れて行ったヒーローショー。司会のお姉さんを見て、北星女子で司会 をしたことを思い出し「この仕事やりたいな」と思ったんです。

すると偶然、友人が司会の仕事をしていて、養成所を紹介してくれました。仕事にできればいいなと思ったけど、子どもがいたので確証も自信もなく、まずは習い事としてスタートしたのが28歳の時。次男がまだ1歳半で、母に預けて通いました。

私の声の質は女性としてはとても低くて、それがコンプレックス。でも、養成所の先生に「その低い声、女性ではなかなかいないから商売道具になる」と励まされました。「今のままではだめだけど磨けば光るよ」「ちゃんと訓練すれば使い物になるよ」と言っていただき、仕事のチャンスも多かったですね。

おごそかなイメージの式典は落ち着いた雰囲気が求められるので、新人時代からベテラン風を装い必死。でも、仕事を始めて1年目でファッションショーの司会を担当できたのは自信と誇りになりました。

 

主役を引きたてるナレーションを研究

▲北星女子での思い出を「個性を潰さないで尊重してくれた。私の学年は特にそうだったと思う」と語る佐藤さん

ファッションショーの仕事は、登場するブランドによって流れる音楽が変わるので、音楽の邪魔にならないナレーションを研究しました。アップテンポの曲や、すごく静かでリズムがとりにくい曲など練習が必要でした。

使用する曲を知るのは、当日の朝のリハーサル。そこで曲にナレーションを合わせなくてはなりません。多くの方がご覧になる場なのでプレッシャーもあります。努力が実を結び、最初に担当したファッションビルでのショーの仕事は4年続き、それが他の仕事にもつながりました。

 

10年目の今、新しい世界を広げたい

ショー以外の仕事でも、司会は邪魔になる存在にならず、空気をつかむことが重要です。それを表現できるかどうかは永遠のテーマ。「できた」と思わず、まだまだ経験が必要。この仕事は長く続けていきたいです。

思えば、29歳で司会デビュー。それから10年で、もうすぐ40歳。働くことが好きで一生懸命になっているので趣味は少ないです。これからはいろんなことをやってみたいですね。さまざまなジャンルの音楽を聴く、映画を観る、初めての場所に出かける、とにかく人生を楽しみたい。それがまた、仕事につながると思っています。

 

現在までを支えてくれた先生の言葉

北星のいちばんの思い出は、中学3年の担任の先生との出来事です。クラスメイトは勉強ができたり、英語ができたり、音楽ができたりなど優秀でした。そんな中で私はやりたいことも見つからず、特技もなかった。その劣等感に先生が気付いてくれました。

先生が言ってくださった忘れられない言葉が、「千草さん、あなたならできるわ。周りの人と違う何かを」。その時は反抗的な態度で返事をしたかもしれません。でも、その言葉が、すごく自信になっています。その言葉があったから、今があると思っています。

 

※記事中の所属・役職等は2018年2月、本校制作の冊子『130人の私が輝く仕事』掲載のものです。

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