「観光は平和へのパスポート 」 6年B組 M. K.
「観光は平和へのパスポート」は1967年に国連が掲げた言葉です。
旅を通して人と出会い、文化を理解し合うことが、世界の平和につながるという意味です。
みなさんは「平和」と聞いて、どんなことを思い浮かべますか?
私は、平和とは“おたがいを知ろうとする気持ち”から生まれるものだと思います。
最近、「インバウンド」という言葉をよく聞きます。
海外からの観光客が増える一方で、観光客のマナーや移民問題についての報道も多くなってきました。
そんな中で、日本に生きる人間としてどうあるべきか、そして世界の人々がどうすれば本当の意味で仲良くなれるのか、私はよく考えさせられます。
観光はその答えを探すヒントになると思います!
なぜなら、旅は“相手を知る”だけでなく、“自分を知る”きっかけにもなるからです。
私は高校二年生の時フランスに留学しました。
留学に行けば視野がすごく広がって、世界のことがたくさん知れると思っていましたが、
実際は、その土地の小さな地域の常識を知っただけで、自分の知っている世界はほんの一部なのだと気づかされました。
異文化の中で過ごす中で、日本人として偏見を持たれることもありました。
悲しくなり、言い返してしまいたい時もあったけれど、だんだんわかってきたのは、ほとんどの人は日本のことを知らないだけだったということ。
そしてそれは私にも言えることだと気づかされました。
今日の聖書箇所
互いに相手を自分よりも優れた者と考え、 めいめい自分のことだけでなく、他人のことにも注意を払いなさい。
とあるように、自分と違うものに出会ったとき、大切なのは、怒ることじゃなくて、伝えること。そして、その違いも受け入れることが大切だとだと思いました。
私たちは旅をするとき、心の中に「イメージ」や「期待」を持っています。
でも、行ってみるとそのイメージと違うこともありますよね。
特にこの間スタディーツアーに行ってきた5年生の皆さんやカナダに行ってきた3年生の皆さん、どうでしたか?
思っていたのと違ったことも、あったかもしれません。
そんなとき、つい「がっかり…」と思ってしまいます。
けれど私は、がっかりすることも大切だと思うようになりました。
なぜなら、「どうして自分はがっかりしたのか?」と考えることで、 自分の中の思い込みに気づくことができるからです。
札幌にも、そう感じる場所があります。 たとえば、時計台です。
観光客の人がよく写真を撮っていますが、実際に見ると思っていたより小さいとおもいます。
でも、あの建物がもともと大学の演武場だったという歴史を知ると、ただのがっかりな観光名所ではなくなります。
観光とは、建物を見ることではなく、そこにある物語を知ることだと思うようになりました。
そしてそのような文化は「魅力」として語られることが多いですが、魅力だけでは続きません。
経済的な価値に変えられなければ、守り続けることは難しいのです。
たとえば、伝統工芸やお祭りも、支える人がいなければ消えてしまう。
そんな文化を守る力こそ、観光です。
観光によって地域が元気になり、観光は、文化を守る経済的な役割を担っています。
私はもともと、守られてきた日本の文化を世界に伝えたいと思っていました。
けれど今は、「伝える」だけでなく、自分自身が日本の文化を守っていきたいと思うようになりました。
文化は、自然に残るものではなく、人の手と心で守り続けるものだからです。
観光は、そんな文化を支え、人と人をつなげる力を持っています。
そして、相手を知ろうとする心が、やがて世界の平和へとつながっていく。
観光は、平和へのパスポート。
その言葉を、私はこれからも心に持ち続けたいと思います。
