HOKUSEI GIRLS’

北星ガールズ  2025.12

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皆さんおはようございます。今日は「今日という日の平和」という題でお話させていただきます。 

 「平和」と聞くと何を考えますか? 

多くの人は、戦争がないことや国と国との関係を思い浮かべると思います。私も最初はそうでした。でも最近、“平和って本当は何だろう”と考えるようになりました。世界の平和を願うことも大切ですが、もしかしたら心が穏やかでいられることも、平和につながっているのではないかと思うようになったんです。 

 私は昨年の8月から約10か月間アメリカに留学をしていました。新しい環境、慣れない英語での日々、まったく違う文化。最初の頃はうまくなじめず、自分の言いたいこともうまく伝えられなくて、「明日はうまく言えるかな」「また失敗したらどうしよう」と毎日不安な気持ちで過ごしていました。 

特に印象に残っていることは、留学してすぐのころのランチタイムです。周りの子たちが楽しそうに話している中で、私は何を言えばいいのかわからず、ただ笑ってうなずくしかありませんでした。その帰り道「どうして私だけ混ざれないんだろう」と落ち込んだことを今でも覚えています。でもそんなときに声をかけてくれた友達の“You’re doing just fine”この 

一言が私の気持ちを軽くしてくれました。 

 そんな中で気が付いたのは“心がざわざわしていると、周りの人を思いやる余裕がなくなる”ということです。自分のことで精一杯だと相手の優しさにも気が付けない。だからこそ、まず自分の気持ちを落ち着けることが大切なんだと実感しました。 

それから私は、完璧を目指すのをやめて、「今日一日を大切にしよう」と思うようになりました。英語が少し通じたら、それでいい。友達と笑えたら、それでいい。そんなふうに一日一日を積み重ねていくうちに、心が少しずつ穏やかになっていきました。 

 そうすると、周りの人の優しさにも気づけるようになりました。授業でわからないところ教えてくれた友達、毎晩「今日はどうだった?」と声をかけてくれたホストファミリー。その一つひとつが、私の中に“平和”をつくってくれたように思います。 

 そんな経験を通して、私はこの聖書の言葉を思い出しました。 

「だから、明日のことまで思い悩むな。明日のことは明日自らが思い悩む。」 

この言葉は、まるであの頃の自分に向けて言われたように感じます。 
「明日のことを心配しすぎなくていい。今日を生きなさい。」 
そう教えてくれているようでした。 

“平和”は、遠くの世界でつくられるものだけではなく、私たち一人ひとりの心の中に生まれるもの。そしてその心の平和が、人とのつながりや優しさを通して、少しずつ広がっていくのだと思います。 

 私たちが神さまの“やさしい目”に見守られているように、私たちも周りの人に“やさしい目”を向けること。それが、平和への小さな一歩になるのではないでしょうか。 

 皆さんにとっての心の平和は、どんな時に感じられますか?今日という日が、その始まりになると嬉しいです。 

 お祈りします。 

天の父なる神さま、今日も新しい一日をありがとうございます。世界中には、今この瞬間にも心が落ち着かない環境にある人たちがいます。どうかその人たちの心に、あなたのあたたかい励ましを届けてください。 

私たちも、日々の中で迷ったり、心が落ち着かなくなることがあります。そんなときにも、あなたがそばにいてくださることを思い出し、少しずつでも穏やかな気持ちで歩むことができますように。 

そして、私たち一人ひとりの心の中にある小さな平和が、周りの人へと広がっていきますように。 
この祈りを主イエス・キリストの御名を通して、御前にお捧げいたします。アーメン。 

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