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校長・教員ブログ

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今から20年以上前の話。「結婚して良かったことは?」と生徒に聞かれ、「卵焼きを失敗せずに作れるようになったこと」と答えました。私の父はあまり卵焼きが好きではなかったので、実家暮らしの中で卵焼きにお目にかかるのは運動会の時くらい、あえて作る機会もありませんでした。ところが、夫は大の卵好き、加えて娘が三歳になると毎日のお弁当作りが始まり、自然、卵焼きを作る機会が増えていきます。

 

卵焼きは基本料理の一つですが、きれいに仕上げるのは意外に難しいものです。フライパンとの相性や油の加減もあり、何度卵焼きからスクランブルエッグへの変更を迫られたことでしょう。ぐちゃぐちゃ、ボロボロになって気持ちも荒む・・・元来不器用なので、苦手意識があります。しかし、作り続けていくうちに、「上手くいかない!」と思ってもなんとかかんとか、最終的には卵焼きの形に持って行くことができるようになりました。『継続は力なり』。習い事も部活動も長く続かなかった私にとって、卵焼きが上手に焼けるようになったことは、繰り返してやること、継続してやることの大切さを実感させてくれました。

 

今年5月のある朝、娘のお弁当にいれる卵焼きを作りながら、ふと「私って何回卵焼き焼いたかなぁ?100回?いやいやそんなもんじゃないか⁉」「いろんなアレンジしたけれど、結局定番の数パターンに落ち着くのねぇ~」。回想にふけってフライパンを見ると、あらら!!まとまらない・・・ここからは集中してなんとか挽回、無事にお弁当箱に収まりましたが、『慢心は人間の最大の敵』!何事も気持ち半分ではうまくいかないもの、集中しないとね。

 

卵焼き作りは人生の教訓にもつながることを教えてくれます。日常の些細なことからこそ、学ぶことは多いのかもしれません。今でも「料亭のよう・・・」とまではいえない我が家の卵焼きですが、娘たちにとっては「一番おいしい卵焼き」として、毎日のお弁当を支えてきました。そんなお弁当作りも次の3月で一旦終了の予定。どうやら、私にとっての「卵焼き」に替わるものを、探す時がきたようです。

 

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