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校長・教員ブログ

校長・教員ブログ  2024.10

言葉は人間に与えらえた素晴らしい贈り物である。言葉があるおかげで、意思の疎通をし、争いを回避する努力ができる。世界には数千もの言語があると言われてはいるが、様々な理由により、英語が世界共通語として活用されている。私は英語教員として、一生学び続け、生徒にその姿を見せることを意識してきた。そして、2024年、目標としてきた二つの国際資格を取得することができた。

その一つは、DELTA(Diploma in Teaching English to Speakers of Other Languages)である。この資格は、国際通用性が非常に高い資格として認知されている。世界中の英語教育機関(例としてイギリスの出先機関である『ブリティシュカウンセル』など)が教員採用の際に、応募者に求める資格として活用されている。DELTAでは、座学だけでなく、教育実習も行う。近年、英語ネイティブスピーカーではない教員が挑戦する例も増えてはきたが、英語を母語としない教員が挑戦するのは極めて少ない。私は、生徒に日本でしか通用しない英語資格や英語力ではなく、どうせやるなら世界で認められる資格や技能を身に着けてもらいたいと考えてきた。私自身も世界に通用する英語教員でありたいと思い、数年かけて英語教育の最高峰に挑戦してきた。次のケンブリッジ大学出版のウェブサイトにインタビュー記事が掲載されているので、詳しく知りたい方はご覧いただければと思う。

https://cambridge-university-press.jp/special/delta2024/

二つ目の資格は、ケンブリッジ英語検定C2 Proficiencyである。言語レベルの共通指標としてCEFRというものがある。北星学園女子中学高等学校の現専門英語科では卒業時にB2 Firstレベル取得を目標としている。B2 Firstを取得することができると、海外大学への進学の最初の一歩を踏み出すことができる。私が取得したC2とは、英語を母語としない人としては高度の英語運用能力を有していることが証明できる資格である。ただ、この資格を取得したからと言って、英語の全てを知っているとは口が裂けても言えず、今日も辞書を引いている。先日も久しぶりに発刊された英和辞書の新刊を購入し、記述を楽しみながら読んでいる。これからも知的好奇心を常に持ち、自分が関わる生徒にも、一生学び続けることを身をもって示し続けたいと思う。

言葉は世界をよりよくし、その使用者にたくさんの経験と喜びをもたらす可能性を秘めている。今日も、そして、これからも、言葉の力を信じて、生徒と明るい未来を創っていくことを手助けしていきたい。

最近、娘の「なぜなぜ期」が加速しています。 

 

霧のかかる山を見て、「なんで山がしろくなってるの?」 

自分の4歳の誕生日を迎えて、「なんでまだ5さいじゃないの?」 

当直で帰ってこないパパのことを考えて、「なんでパパはおしごとにいくの?」 

自分より先にデザートの果物を食べ始める弟を見て、「なんでもう食べていいの?」 

 

すぐに答えられる質問から、正直答えに窮する質問まで様々なことを聞いてきます。 

そこで私は、いったんぐっと我慢して聞き返してみます。 

「なんでだと思う?」 

 

すると意外や意外、まあまあの確率であながち遠くない答えが返ってきます。 

「うーん、さむいから?」 

「うーん、4のつぎは5だから?」 

「うーん、おしごとだから?」 

「うーん、ごはんぜんぶ食べたから?」 

 

そして私の説明を聞いて、わかったようなわかっていないような顔でさらに何か別のことを聞いてきたりします。 

脳科学的には、3歳で大人の8割に当たる程度の脳神経が完成していて、成長過程でもののしくみや原理に関心を持った結果なぜなぜ期になるのだそうです。 

 

あたらしいことを知るって、たのしいよね。わかるよ。 

大人になってしまうと、自ら何かを学ぼうとしない限り、 新しいことを知る機会やそのために使える時間がなかなかないんですよね。 

だから、黙っていても新しい知識がどんどん得られたり、 自分の興味のあるままにいろいろな経験ができる子供たちや生徒たちが 少しうらやましいなと思います。 

 

I have no special talent. I am only passionately curious. 

――私には特別な才能などありません。ただ、ものすごく好奇心が強いだけです。 

 

アインシュタインの言葉です。 

私は教師として、親として、生徒たち・子供たちが自分の好奇心のままに、新しいことを吸収できるように、できる限りのサポートをしていきたいと思います。 

あ、自分の好奇心も、たまには大事にしてあげないとね 

 

 落ち込んだり気持ちが沈んだ時…、そこから気分を上げたり、和ませようとする際、私はよく好きなエッセイや本などを読み返します。その1つを紹介させてください。 

 タイトルは『広い海へ出てみよう』という、さかなクンのエッセイです。 

 中1のとき、吹奏楽部で一緒だった友人に、だれも口をきかなくなったときがありました。いばっていた先輩が3年になったとたん、無視されたこともありました。突然のことで、わけがわかりませんでした。でも、さかなの世界と似ていました。たとえばメジナは海の中で仲良く群れて泳いでいます。せまい水槽に一緒に入れたら、1匹を仲間はずれにして攻撃し始めたのです。けがしてかわいそうで、そのさかなを別の水槽に入れました。すると残ったメジナは別の1匹をいじめ始めました。助け出しても、また次のいじめられっ子が出てきます。いじめっ子を水槽から出しても新たないじめっ子があらわれます。広い海の中ならこんなことはないのに、小さな世界に閉じこめると、なぜかいじめが始まるのです。同じ場所にすみ、同じエサを食べる、同じ種類同士です。中学時代のいじめも、小さな部活動でおきました。ぼくは、いじめる子たちに「なんで?」ときけませんでした。でも仲間はずれにされた子と、よくさかなつりに行きました。学校から離れて、海岸で一緒に糸をたれているだけで、その子はほっとした表情になっていました。話をきいてあげたり、励ましたりできなかったけれど、だれかが隣にいるだけで安心できたのかもしれません。ぼくは変わりものですが、大自然のなか、さかなに夢中になっていたらいやなことも忘れます。大切な友だちができる時期、小さなカゴの中でだれかをいじめたり、悩んでいたりしても楽しい思い出は残りません。外には楽しいことがたくさんあるのにもったいないですよ。広い空の下、広い海へ出てみましょう。(朝日新聞2006年12月2日掲載) 

 さかなクンらしい、海・魚とのたとえは非常に興味深いものです。そして人間関係にもドンピシャで当てはまるものです。日々の生活を送る中で、自分が急に一人になってしまうこと、身近な誰かが一人になってしまうことがあったとき、私はこの文章にたどり着き、色んなヒントを頂きます同じ文章でも、年齢を重ねていくことによって、感じ方や受け取り方も変化します。 
 皆さんも気分を上げたり、和ませるお気に入りの文章ありますか? 

9月26日に第54回音楽科定期演奏会が行われました。定期演奏会は毎年、代表生徒の挨拶と校歌の演奏で締めくくります。今年の挨拶の中で、「(自分たちは)先輩から受け継いできたバトンを次の世代に渡そうとしています。」との言葉がありました。6年生が音楽科生徒としての自覚と責任を持ってこの演奏会に臨んでいたことが伝わる言葉でしたし、その想いが伝わる演奏会でありました 

 

音楽科は今年で創設55周年を迎えました第1回の定期演奏会は共済ホールで開催されましたその後北星学園講堂(現スミス記念講堂)での開催となり、第29回に会場を札幌コンサートホールKitara小ホールに移しました。そして、第34回から大ホール開催となり現在に至ります。長い年月を経て今日の形式となった演奏会ですが、今後も生徒たちの手により変化を遂げていくことでしょうその過程で「“生徒による定期演奏会”との自覚をもつことができるよう、精一杯の努力をし、励んできました。」(第11回演奏会プログラム生徒代表の言葉より)との思いが脈々と受け継がれているのだと感じます。 

 

定期演奏会は6年生が中心となり、企画から運営まで半年以上の時間をかけて創り上げています。6年生が3学年をまとめることは大変なことです。学年によって抱える課題や技術力、練習のスタイルも異なります。だからこそ生徒たちは「自分たちで創り上げた演奏会」に誇りを持ち、Kitaraの大舞台に立った時“先輩が作ってきた演奏会を成功させ、後輩へ繋いでいきたいという気持ちで一つになれるのだと思います 

 

音楽科は来年度からMusicコースとなります。「音楽科生徒3学年による定期演奏会」は今年度で最後ですそして来年度は「Musicコースが加わった新しい定期演奏会」となり、再来年度は「音楽科生徒最終学年による定期演奏会」になります。これからの定期演奏会が、長らく音楽科を支えてくださった学内外の皆さま、とりわけ音楽科同窓会である「星音会」の皆さまに対し、これまでの感謝の気持ちをお伝えすると同時に、その成長を喜んでいただける場となることを願って止みません。 

 

 今年の定期演奏会の代表生徒の挨拶は、次のように締めくくられました。「音楽科は来年度からMusicコースとして新たにスタートします。(中略)これからも北星音楽科をよろしくおねがいします。」私もこの気持ちで一杯です。これからもどうぞよろしくお願いいたします。 

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