不自由を楽しむ」キャンプごはん 家庭科教員 川端 暖加
この夏、家族でキャンプに行ってきました。献立は決めずに・・・行き先の道の駅で出会った食材で、何を作るか考えるスタイル。これが、思った以上に楽しい!
印象的だったのは、白いとうきび(とうもろこし)。 生でも食べられると聞いて、息子がそのままかぶりついた瞬間、「うまっ!」と驚いた顔が忘れられません。夜には焚火で焼いてみると、香ばしさが加わってまた違った美味しさに。 トマトときゅうりは氷水で冷やしておやつに。暑い日には、自然の味が何よりのごちそうでした。
焼きそばの具材には、道の駅で見つけたピーマンとパプリカを。 色がきれいでつやつやしていて、子どもたちも「これ食べたい!」と即決。包丁は使わず、手でちぎるスタイルにしたことで、調理にも積極的に参加してくれました。形は不揃いでも、火の通りがよくて味もしっかり絡む。普段はちょっと敬遠されがちなピーマンが、この日は大人気。食材との出会い方ひとつで、子どもの反応がこんなに変わるんだなと感じました。
キャンプって、火加減も道具も限られていて、ある意味“不自由”。 でもその不自由さが、逆に工夫や会話を生んでくれるんですよね。 「どう切る?」「焼きすぎた?」「味付けはどうする?」と、みんなで相談しながら作る時間は、何より楽しくて、豊かな学びの場でした。
この体験、家庭科の授業にも活かせそうです。 すべてが整った環境ではなく、あえて“足りない”状況をつくることで、協力や創意工夫が自然と生まれます。地元の食材との偶然の出会いも、食への興味を引き出すきっかけになります。
次の授業では、「予定のないごはん」に挑戦してみようかな。 キャンプのピーマンみたいに、思いがけない食材が、思いがけない学びをくれるかもしれません。
