検索 OPEN/CLOSE

校長・教員ブログ

校長・教員ブログ

幼少期からピアノを習っていた私は、コンクールに出たあと、ご褒美がありました。当時大好きだったディズニーなどのVHS(生徒のみなさんVHSってご存じですか?)、コンクールが無事に終わるたび、買ってもらっていたのを思い出します。誕生日やクリスマスに買ってもらったものを合わせるとものすごい数になりました。人によっては、「モノで釣って意欲を引き出すのは邪道だ」と思われてしまいそうです。大人になった今は、それも一理あるし、そちら側の気持ちも十分に分かります。音楽ってその人を彩る飾りではなくて、もっともっと深く考え、本質を突き止めていくべき崇高なもの。

 幼少期のピアノへの向き合い方を振り返ってみると、「大好きなもの」と言えるほどの気持ちには至っていなかったように感じます。生まれたころから姉のレッスンへ連れられていた→ハイハイができるようになったら姉のレッスン中にピアノの下を歩き回っていたらしい→気がついたら姉ととなりのトトロを連弾して遊んでいた→レッスンに行くようになっていた→発表会やコンクールの本番を経験していた。全て自分の意思とは関係なく、自動的に私のピアノ人生は始まっていたのです。だからといって、それが嫌だと反発するわけでもない私は、静かに本番を迎え、「冬は発表会、春からはコンクールの時期」毎年の恒例行事になっていました。

 大きな声では言えませんが小さいころ練習熱心ではなかった私は、弾けるようになるために練習をするというよりは本番のために練習をする生徒でした。それでも本番が終わるたびに少しは成長して、達成感を得て、好きなVHSも増えていく、また次はどんな曲が待っているのか…。曲の難易度が上がっていくと、少しは曲の本質に目を向けるようにもなり、あっという間に今ここにいます。ちょっとしたお楽しみや遊び心があったことで、自分の機嫌をとりながら到達できたことも多かったように思います。メリーポピンズやサウンドオブミュージック、ライオンキングなどの数々の作品は、その時がんばった自分の記憶を呼び起こせるご褒美です。

PAGE TOP