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校長・教員ブログ

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収穫の秋。学校の花壇から生徒の叫び声が聞こえた。見ると、社会問題研究会の生徒がサツマイモを持って歓声をあげている。今年はサツマイモのできが良く、大きめの段ボール1箱分採れた。1キロサイズの芋を2個と小さめの芋を数個、寮に持って行った。寮の食事を作ってくれるまどりさんは教員向けの弁当も作ってくれるので、そのうち弁当に入ってくるかもしれない。大変楽しみである。

毎年、社会問題研究会では、学校の花壇で野菜の栽培を行っている。今年は、トマト、ナス、ピーマン、ズッキーニ、トウモロコシ、サツマイモ、スイカ、カボチャなどを植えた。サンチュ、小松菜は、一部花を咲かせて種を落としているので、毎年勝手に生えてくる。そうやって自家採取の種を作る実験も行っている。最近は自家採取では実をつけない品種も出回っている。ニュージーランド産のカボチャの種をとっておいて蒔いてみたが、実をつけなかった。最近人気のあるラグビー型のカボチャもだめで、昔ながらのみやこや恵比寿、雪化粧などは問題なく収穫できた。F1(かけ合わせで作った品種)や遺伝子組み換えの種が増えていく昨今、種の確保も大きな問題だと思う。数年勝手に生えてくるサンチュや小松菜も元はF1だったのでどうかと思ったが、程よく苦みと甘みがあり、大変美味しかった。

作った作物を収穫し、調理するところまでやる。花壇のラズベリーでジャムを作ったり、夏野菜でカレーを作ったり、枝豆を茹でたり、サツマイモでスウィートポテトを焼いたり・・・「なぜ、社会問題研究会で野菜の栽培を?」と不思議に思われるかもしれないが、一応理由はある。社会問題のうち、一番に取り組みたいのは食糧問題。食べることに不安がなければ、多少の問題があっても精神的に余裕をもって対処できる。生きることに直結する「食べる」ことを確保して、様々な問題に目を向けようということである。

もちろん、他の社会問題にも取り組む。社会的マイノリティの問題、原発とエネルギーの問題、銃社会について、貧困問題、婚活についてなど、それぞれ興味のあるテーマについて調べ、プレゼンをする。そのとき、調べた知識を述べるだけでなく、必ず自分たちの提案をすることになっている。それついて、みんなでディスカッションする。それが有意義で実効性が高いとなれば、みんなで行動することもある。研究会のメンバーだけでなく、外部に広く呼び掛けて発表したこともある。

「これからの時代、社会はこうなっていくから、それに対応しなければならない。」というような話が聞こえてくると、誰がその社会を望んだのだろうと疑問に思う。必要なのは、望んでもいない社会に対応する力ではなく、望む社会を創っていく力ではないだろうか。そんなことを考えながら、社会問題について楽しそうに議論する生徒たちを眺めると、日本もまだまだ大丈夫だと思ったりもする。

 

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