検索 OPEN/CLOSE

校長・教員ブログ

校長・教員ブログ

お祭りのシーズンです。札幌でも大きなお祭りがあって、今年は屋台が多く出ていました。久しぶりに出かけて、子どもと一緒に屋台をのぞいて歩いていると「金魚すくい」の文字が…。

「はっ!いけない!〈金魚〉の文字を息子に見せてはいけない…!」と思った時には時すでに遅し、金魚を発見してしまった息子は目をキラキラさせて「金魚すくいをどうしてもしたい!そして金魚を家で育てたい!」と言い出しました。…ちょうど1年前のこのブログに同じようなことを書いたのですが、息子は「何かを育てたい」という気持ちがとても強いのです。すでに家には飼って6年目になるウサギ、昨年から元気に冬を越したコクワガタ・オオクワガタのつがいがおり、さらに彼が植えたミカンやら何やらの鉢があり、それだけでもお世話がけっこう大変だし、小さな金魚は弱いことが多いので、金魚すくいは阻止しようと思いましたが、懇願されて根負けし、金色のかわいい金魚を一匹すくって帰ってきました。

1匹ならなんとか飼えるか…と思っていましたが、甘かった。その次の週、息子の通う学童で「お祭りごっこ」があり、なんと9匹の金魚をすくって帰ってきたのです…!合わせて金魚が10匹…!!すでに病気になっている金魚もいたので、大きさや弱り具合で分けて、水槽4つで飼うことになりました。水槽4つとなると水を換えるだけでもひと苦労ですが、小さい金魚たちが一生けんめい泳いでいるのを見るのはかわいいものでした。

ですが、やはりすでに弱っていたものが多く、朝起きて水槽をのぞくと、体の小さい金魚が動かなくなっている…ということが何度かありました。昨年は1匹いなくなるたびに号泣していた息子だったので、大丈夫かな…と思って見ていましたが、今年は悲しがっても涙をぐっとこらえて庭に埋めてあげていました。

6月のある朝、お祭りですくった金色の金魚が動かなくなってしまいました。さすがに泣くかな…と思いましたが、息子は泣かずにじーっと金魚を見て小さな声で「うちに来てくれてありがと。えさを食べてくれてありがと。泳いで見せてくれてありがと。大きなフンもしてくれてありがと。」と言いました。ああ、そんなことを考えていたんだなあ、ただ悲しがるだけだった去年とは違うじゃないか、子どもはちゃんといろいろ成長しているんだなあ、と思ったら、こっちが泣くところでした。

1年前も書きましたが、生き物を飼うのは大変です。でも、教えられることも多いです。そしてそんな経験を通して成長していく子どもの姿にはっとさせられることも多いものです。そんなことを考えた最近のできごとでした。──金魚は少なくなってしまいましたが数匹は今も元気に泳いでいます。長生きしてほしいな、と思っています。

PAGE TOP