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校長・教員ブログ

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一人目の息子の出産を控えて産休に入ったとき、それまで仕事に打ち込んでいた分の熱量を、何かに注ぎたいと思い、漢字検定1級合格を目指して勉強を始めました。大きくなるお腹を抱えながらコツコツと勉強を始めましたが、到底子どもを産むまでに到達できるような道ではないとすぐに気づいてしまいました。何しろ、漢字検定一級の対象となる漢字の総数は約6000字で、高校の古典の授業で扱うような漢文にも滅多に出てこない字や語彙がその範囲なのです。近代の文章を文章題に今では使っていない言葉の読みや書きを書く問題も、一定読み慣れているつもりでしたが、難解なものが多く、初めの頃は全然解けませんでした。

 しかし、「阮籍青眼」という四字熟語は普段何気なく使っている「白い目で見る」という表現のもとになる故事であることを知り、普段私が使っている言葉とつながりがあることを改めて意識しました。確かに対象となる字数は膨大であるのは確かだけれど、久しぶりに勉強することの楽しさを感じるようになり、産後もひたすら育児の傍らで勉強を続けました。

 初めて受験したのは、育児休暇中の10月です。200点満点で160点以上が合格なのですが、その時の結果は「合格まであと91点です」というものでした。半年間勉強したくらいでは、全然箸にも棒にもかからないことを実感しました。その後も細々と勉強を続け、二人目の産休育休中には赤ん坊を膝に載せて一日6時間も勉強する打ち込みようでしたが、何度受験しても点数は100点を超えるか超えないかで推移し、いつしか復帰した仕事と育児と家事の忙しさに少しずつ情熱は冷めていってしまいました。

 その情熱に再び火が付いたのは今年の正月です。やっぱり一度目指したものを諦めたままにしておくのは自分に納得がいかない。そんな思いからだったと思います。漢字検定の勉強を再開しました。私が受験していない数年の間に、検定試験の内容はますます難化し、生半可な準備では全く歯が立たないものになっていました。2月に一度受験してみましたが、結果は10年前とさほど変わりませんでした。覚えても覚えても知らない語句が出てきたり、以前は覚えていたのに忘れていたりして、勉強していて自分の力不足に悲しい気持ちになることもしばしばです。

そんな中で自分の変化を感じるのは、勉強の仕方です。以前は昔ながらのスタイルで「ひたすら問題を解く→書けなかったものを何十回も書き取りをする」の繰り返しでしたが、最近は「Quizlet」に単語帳を作り、一人黙々とスマホで読熟語のゲームをしたり、漢字検定の勉強ができるアプリを使ったりしています。時代の変化に伴って、勉強の仕方も変わるのだな……と実感しました。

漢字検定の勉強の中で覚えた語に「点滴穿石」(たとえ小さな水滴でも長い年月を経ると硬い石にも穴をあけられる、つまり「小さな努力の積み重ねによって、大きな事業が達成される」ということを意味する語。「ちりも積もれば山となる」とほぼ同義)というものがあります。この四字熟語を心に留めて、なるべく毎日今も勉強を続けています。いつかここで「合格しました!」と報告できる日を目指して、今日も頑張ります。

 

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