「見つけた⁉かも」 国語科 小師 文子
終戦の年に生まれた私の母は喜寿を過ぎましたが、耳が遠くなったのと歩くスピードが落ちたことを除けば、変わりなく我が家の家事を支えています。そんな母の突然の引退宣言「もう庭仕事はしない!」 いや、正確には突然ではなく、ここ数年「草取りがつらい」とか「庭どうしよう」とか「もう無理」とか呟いているのは知っていたのですが、そのたびに私は聞き流してきたのでした。
10年以上前、母と同居するにあたって、何か家でできること、土が感じられる生活…と、家も庭も狭いながらも、戸建てに引っ越しました。その時から、庭仕事は母のテリトリーという感じで、任せっきり。私と娘たちは窓から眺める季節の移ろいや、果実の収穫、おいしいところだけを享受してきました。
「庭どうする?つぶす?コンクリートで。」「いやいや、つぶせないでしょ。」「じゃあ誰やるの?」「誰って…」
というわけで、今シーズンからは私の担当です。4月、雪がすっかり解けると、まずは枯れ葉の掃除から。はいはい、枯れ葉を拾えばよいのねと始めましたが、やってみるとビニール手袋の中はびしょびしょ、汗だくになります。大して広いスペースでもありませんが、枯れ葉は次から次に出てきて、芽吹きだした植物と絡まり、キリがありません。これ以上やったら、いやになる!と思い、90分で打ち止め。でも、普段はあれこれ考えるばかりで身体を動かすことが少ない私にとって、無心に作業する時間は爽快感につながることを教えてくれる、久しぶりの体験となりました。
そもそも、枯れ葉を掃除するという過程も私の認識にはなかったもので、維持すること、自然に触れること、何かと向き合うこと…いろいろと考えさせられます。これは、「卵焼き」に続く大事な作業になるかもしれない!(以前のブログで毎朝の「卵焼き」作りは人生の教訓につながることを書いています。)次は草取りだ!何事も形から入ってしまう私は、さっそく草取りグッズをAmazonで検索し、ぽちっとしたのでした。