校長・教員ブログ
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今年度、校内で「STEAM委員会」の一員として活動しています。その委員会、何?とお思いになる方も多いことでしょう。「STEAM教育」とは、Science(科学)・Technology(技術)・Engineering(工学)・Art/Arts(芸術/リベラルアーツ)Mathematics(数学)」の頭文字を組み合わせた言葉で、本校で現在力を入れている取り組みの一つです。委員会では「STEAM Challenge」と称して、生徒と一緒に活動を行っています。
STEAM教育はどちらかというと、理系の分野が多めで、新しい技術を活用する場面が多い印象があり、数学も科学も工学も決して得意ではない私には縁遠い活動…と思っていました。しかし、いろいろ調べていくと、日常生活のふとした瞬間に「すごい!」「なぜ?」と感じた「ワクワクする気持ち」から、実践してみたり試行してみたりすることがSTEAMの学びだ、ということがわかり、その実践や試行に数学や工学の知識が必要になった時に学べばよい(なんなら得意な人に助けを求めればよい)のなら、私も生徒と一緒に楽しめそう!と思うようになりました。
今年度の活動第一段として、前期は「TinkerCAD」を利用してデザインしたクッキーの型を3Dプリンターで印刷し、その型を使って自分でクッキーを焼く、というチャレンジを行いました。「3Dプリンター…興味はあるけど、CADを使ってデザインを作るなんて無理!」とやはり超文系の私は思って最初は尻込みしてしまいましたが、生徒たちはすいすいと作っていきます。それを見ていると、自分もチャレンジしてみたくなり、試しに作ってみたところ、簡単な型ならデザインすることができました。3Dプリンターで実際に立体になって自分の考えた形が作られていく様子は、見ているととてもワクワクします。生徒に体験してもらうことが主目的ではありますが、自分自身が挑戦する前に諦めていることが多いことや、それでも新しいことに挑戦してみた時の達成感のようなものに気づくことができました。
9月の前期終業礼拝の後、生徒たちと一緒に、学校の調理室でクッキー作りもしました。生地を作る過程にも試行錯誤しながら、自分たちのデザインした形をしたクッキーが焼き上がって喜んでいる生徒の様子を見て、「勉強って、教室で教科書を読んだり、覚えたりするだけではなく、様々な体験から学ぶものなんだよなぁ」と改めて思い、自分たちで何かを計画して実際に試行してみたり、協力しながら何かを作ったりする時間のあふれる学校にしていきたいという気持ちが強くなりました。
私が子どもだった20世紀とは世界はどんどん変わっていて、子どもの頃にSF映画やマンガの中で憧れだったものが現実のものになってきています。そんな変化の激しい世界を生きていく生徒たちに、臆せず新しいものを創り出すための力を身につけられる活動に関わりながら、私も生徒と一緒に様々なことに楽しみながら挑戦を続けていきたいと思います。