検索 OPEN/CLOSE

校長・教員ブログ

校長・教員ブログ  2022.11

 趣味の多い私ですが、その中でも息の長い趣味の一つに編み物があります。初めて編針を持ったのは小学校3年生の冬。冬休みの自由研究にマフラーを作りました。そこから、かれこれ30年以上、季節を問わず、ほぼ毎日のように編み続けています。仕事が忙しかった日も、寝る前に10~15分くらい編み物をすると、リラックスして眠りにつくことができます。編み物は私の生活に欠かせない、ルーティーンの一つです。

編み物の魅力は、なんといっても、自分が頭の中で思い描いた形を、一続きの糸で形作ることができる点だと思います。編み図の通りに作るだけでなく、自分のサイズに合わせたり、違う作品にアレンジしたりすることができます。糸の種類や色を変えれば、同じデザインでも、まったく違った印象のものを作ることも可能です。自分が思い描いたものが完成すると、なんとも言えない達成感を覚えます。最近はサマーニットやこたつカバーなどの大物を作ることが多く、完成した時の喜びもひとしおです。子どもが小さい時は、毎年オリジナルの帽子を作るのも楽しみの一つでした(が、小学生になるとあまり喜んでくれず、ちょっと寂しい……)。

複雑な形や模様の物を編んでいる間は、編み目の数を揃えたり、模様編みにするために編み方を変えたりと、目の前の編み目に集中する必要があります。余計なことを頭で考えながら編むと、間違えてしまいます。反対に、単純な編み目でひたすら同じ編み方をすれば完成する物を作る時には、手だけが同じリズムを作り出し、いろいろなことを考えながら編むことができます。その時々の自分の精神状態に合わせて複雑か単純かを選ぶことで、リフレッシュ効果も高まる気がします。

 調べてみると、編み物には、私が感じているようなリラクゼーション効果が検証されており、欧米では「ニットセラピー」と呼ばれ、うつ病の治療などにも活用されているそうです。また、手先を使うことで脳の活性化につながるため、高齢者のリハビリテーションにも取り入れられることが多いようです。どんな色合わせにするかを考える点ではカラーセラピー的な要素もあり、編み物が持つ効能はさまざまです。

 休日など時間が取れる時は、つい根を詰めて編んでしまい、眼精疲労と肩こりに悩まされることもしばしばですが、これからもたくさん編み続けていきたいと思います。

 

 「絶対に再度、訪ねてみたい」もしくは「もう二度と行きたくない」

インドを訪ねた旅行者は、必ずどちらかに分かれるのだそうです。はたして自分はどちらになるのか実際に体験してみたいということもあって、大学2年生の2月に北部インドへ10日間のバックパッカー(低予算の個人旅行者)の旅に出かけました。


 「人の海」
 インドの第一印象は、人、人、人・・・の波が絶え間なく寄せては返す「人の海」でした。首都のデリー空港に到着して、宿泊するオールド・デリー(当時)のメインバザール(市場)の安宿までの移動中や食事をかねて散策したメインバザールでも、どこからともなく客引きが現れたり、すれ違いざまに耳元で売買できる物をささやく押し売りがいたり、レストランや屋台のボーイからは「ハロー、ジャパニー!(日本人)」「コンニチハ、ジャパニー!」「ゲンキデスカ!」の声が止むことはありませんでした。そのあまりの迫力に、たじろぐばかりでした。

よくよく考えてみれば、初めてのインド旅行で周りをキョロキョロと見回す青白い日本人観光客は、生活がかかっている彼らにとっては、都合の良いお客さんだったに違いありません。その時の自分のようすを思い出すと、苦笑せずにはいられません。しかしながら、滞在日数の経過と共に、次第に緊張もほぐれてきて、近寄ってくるインド人を受け流したり、声掛けに返答したり、時にはこちらから先に話しかけたりしながら「人の海」をかき分けていけるようになっていきました。

「オートリキシャの運転手にぼったくられる」高額料金をぼったくられた大失敗談です。

デリー郊外にあるクトゥブ・ミナール(世界遺産、インド最古のミナール(イスラム教のモスクに付属して建てられる塔))を観光していた時に、オートリキシャの運転手から「今日一日、デリーの観光地をガイドするよ。効率よく観光できて便利だよ。」と声を掛けられました。親切なインド人もいるんだなと思って、ガイドを頼みました。その後、一日をかけて観光が終わり、請求された料金を言われるままに支払いました。3000ルピー(当時の日本円で約10000円)でしたが、その後、ガイド料相場の6倍以上の料金であることを知りましたが、「時すでに遅し」でした。当時の3000ルピーは、1人のバックパッカーが約23週間の旅ができるほどの金額でした。この時は本当に気持ちが落ち込んでしまい、どうしてインドに来てしまったのだろうと自問自答していたことを覚えています。しかし、この大失敗は、その後の旅にとても活かされることとなりました。
 ①事前に料金の相場を調べておくこと。

(事前にホテルやゲストハウスで聞いておく、声を掛けてこない運転手に聞いてみる、

通りすがりのインド人に聞いてみる)

 ②声を掛けてきた運転手、客引きは断る。

③流していたり、声を掛けてこないオートリキシャを利用する。

④料金の交渉を済ませてから乗車する。

⑤交渉がうまくいかなかったら他のオートリキシャと交渉する。

⑥観光できるくらいの豊かさがあるので、ある程度のところで妥協する。

 

  海外での料金交渉のやり方について何も知らなかった青白い日本人のバックパッカーを鍛えて、成長させてくれたインドを再訪問できることを楽しみにしています。

 

 みなさんが「ときめく」ものはなんでしょうか。

まず、私が「ときめく」ものを2つご紹介します。

 

私は文房具が大好きです。ノート、ふせん、ファイルやバインダーなどを眺める(購入しなくても)だけでわくわくします。文房具の中でも、ボールペンを選ぶときにはこだわりがあります。書き味も大切ですが、色味や太さ、速乾性などたくさんのこだわりがあるので、自分が納得のいく1本を見つけた時には大変ときめきます。

2つ目にご紹介するのは今を時めくシマエナガです。ふわふわでまっしろ、つぶらな瞳、まるいフォルム。今や知らない人の方が少ないのではないでしょうか。私は本物を見たことがありませんが、シマエナガグッズや写真を眺めて日々癒されています。

さて、ここまで「ときめく」ものについてご紹介しましたが、「ときめく」とは辞書で調べると「喜びや期待のために胸がどきどきする」とあります。「ときめく」の語源は諸説ありますが「動悸」(胸がどきどきすること)に「めく」(そのように見える)がついたものとされています。また、「今を時めく」の「時めく」は「時を得て世にもてはやされる」という意味で、先ほど挙げた「ときめく」とは意味が異なります。加えて「時めく」には「格別に深い愛情を受ける」という意味もあり、かの有名な「源氏物語」の本文にも用いられています。

言葉を知ることはその時代の文化や社会を知ることにも繋がります。「ときめく」のように音だけではわからない意味の違いや語源を調べてみると、自分が知らなかった新しい文化や社会に出会えるかもしれません。みなさんも身の回りにあふれている多種多様な「言葉」にぜひ注目してみてください。

からしとわさびはなぜ鼻が痛くなるのか?からしとわさびが舌や喉ではなく鼻を痛めるのは、からしに含まれる油分がガスに変わるからです。

からし、わさびなどの香辛料は、唐辛子とは全く異なる方法で私たちに影響を与えます。辛い唐辛子を食べると、唐辛子に含まれるカプサイシンが油状になり、舌にくっつくのです。カプサイシンは化学的な刺激物です。カプサイシン分子は、舌にあるバニロイド受容体サブタイプ1と呼ばれる受容体に結合します。カプサイシンは、この受容体を刺激し、脳に信号を送ります。この受容体は熱や摩擦によって刺激されるため、脳はやけどを負ったように錯覚するのです。また、カプサイシンは、感覚を長く持続させるために、徐放性を持っています。唐辛子を食べると、痛みの信号が免疫反応を引き起こします。血管が広がって顔が赤くなり、カプサイシンの効果で体が温まるので汗をかく。カプサイシン分子は疎水性、つまり水にはじかれるので、コップ一杯の水を飲んでも口の中から出てこないのはそのためです。

では、なぜからしやわさびは鼻を痛めるのでしょうか?なぜ、舌には影響がないのでしょうか?からし菜の種子とわさびの茎には、アリルイソチオシアネート(AITC)と呼ばれる油性の化合物が含まれています。これは、植物が傷つき、細胞が破裂したときにのみ放出されます。ですから、からしを挽いたとき、わさびを切ったとき、あるいはからしの種を噛んだときに、化学物質が放出されるのです。 AITCは非常に簡単に気化します。舌に当たると、瞬時に気体になるのです。この新しい軽いガスが副鼻腔に浮き上がり、そこの粘膜を刺激するのです。私たちの鼻や舌には痛みを感じる受容体があり、AITCはそれと結合して脳に信号を送ります。鼻の穴は涙管で目とつながっているので、AITCで痛みを感じると、目からも水が出るようになります。とても痛いのですが、気体なのですぐに消えます。

植物はなぜ辛く進化してきたのか?唐辛子もからし芋も、同じ理由で辛く進化しました。唐辛子も、からしやわさびも、動物が自分やその種を食べるのを止めたいのです。唐辛子に含まれるカプサイシンはすべての哺乳類に影響を与えるので、哺乳類はすぐにその植物を食べられないことを学習する。しかし、鳥はカプサイシンに対して完全に免疫があるため、好きなだけ食べることができる。鳥類には、哺乳類のように口の中に痛みを感じるレセプターがないのです。なぜこれが植物にとって有利になるのでしょうか?理由は3つあります。第一は、動物には歯があり、鳥にはないことです。動物は鳥よりもはるかに植物の種子を噛み砕く可能性が高いのです。2つ目の理由は、鳥は哺乳類よりもはるかに長い距離を移動することができ、植物の目的は可能な限り遠くまで自分を広げることだからです。3つ目の理由は、鳥の消化器官を通過した種子は、通過していない種子よりも370%発芽率が高いからです。鳥がタイミングよく実を食べるように、唐辛子は熟すと赤くなる。鳥は赤い色に引き付けられ、哺乳類はその色に躊躇しがちである。また、唐辛子の外皮は、熟すと鳥にしか見えない紫外線を反射する。

マスタードはどうでしょう?マスタードの種は、動物がパクパク食べないように、辛く進化してきました。哺乳類は、カリカリしない限り、からしを食べることができますが、からしやわさびがAITCを放出する能力を進化させた主な理由は、そこではありません。それは昆虫に帰結する。私たちはからしの辛さが好きですが、昆虫にとっては毒なのです。イモムシなどの昆虫がからしやわさびをかじると、ガスが出て昆虫を殺してしまうのです。しかし、それで終わりではない。何百万年もかけて、一部の昆虫はAITCガスに耐える能力を進化させたのである。そのため、植物はより高いレベルの毒性を持つように進化しなければならなくなった、というわけだ。もし、数百万年前に私たちがマスタードを食べていたら、おそらく今ほど辛くはなかったでしょう。そして、これが今日私が学んだことです。

Why do mustard and wasabi make your nose hurt? Mustard and wasabi hurt your nose instead of your tongue and throat because the oil in them turns into a gas.

Spices such as mustard and wasabi affect us in a very different way to chili. When you eat a spicy chili, the capsaicin in the pepper are oily and they stick to your tongue. Capsaicin is a chemical irritant. The capsaicin molecules bind to receptor in the tongue called the vanilloid receptor subtype 1. The capsaicin stimulates the receptor and causes it to send a signal to the brain. This tricks our brain into thinking we are being burned because these receptors are stimulated by heat and abrasion. The capsaicin also has a slow release capacity to make the sensation last a longer time. When you eat chili, the pain signal causes an immune response. The blood vessels widen, which causes the red face, and we sweat because the capsaicin makes us feel warmer. Capsaicin molecules are hydrophobic, meaning they are repelled by water, which is why drinking a glass of water won’t help get them out of your mouth.

So, why do mustard and wasabi make your nose hurt? Why don’t they affect the tongue in the same way? The seeds of the mustard plant and the stem of the wasabi plant contain an oily compound called allyl isothiocyanate (AITC). This is only released when the plant is damaged and the cells are ruptured. So, when the mustard is ground or when the wasabi is cut, or when you chew mustard seeds, the chemical is released.  AITC vaporizes very easily. When it hits your tongue, it instantly becomes a gas. This new, lighter gas floats up into your sinuses and irritates the mucous membranes there. We have pain receptors in our nose as well as on our tongue, and the AITC binds with those, sending a signal to our brain. The nasal passage is connected to the eyes via the tear ducts, so when we have the pain from AITC, our eyes start to water as well. It can be very painful but, because it is a gas it dissipates fairly rapidly.

Why have plants evolved to be so spicy? Chili plants and mustard plants have evolved this ability for the same reason. Both chili peppers and mustard and wasabi want to stop animals eating them or their seeds. The capsaicin in chili affects all mammals, so they very quickly learn that they can’t eat the plant. However, birds are completely immune to capsaicin, so they can eat as much as they want. Birds don’t have the same pain receptors in their mouths as mammals do. Why would this be an advantage for the plant? There are three reasons. The first is that animals have teeth and birds don’t. Animals are far more likely to chew up the seeds of a plant than birds are. The second reason is that birds can travel a much greater distance than a mammal can and the goal of any plant is to spread itself as far as it possibly can. The third reason is that seeds that pass through the digestive system of a bird are 370% more likely to germinate than seeds that do not pass through a bird. To make sure the birds eat the fruit at the right time, chili peppers turn red when they are ripe. Birds are attracted to the color red, while mammals tend to be deterred by it. The outer layer of the pepper also reflects ultraviolet light, which only birds can see, when it is ripe.

What about mustard? Mustard has evolved seeds that are spicy to discourage animals from crunching them. Mammals can eat mustard, so long as they don’t crunch it, but that is not the main reason that mustard and wasabi evolved the ability to release AITC. That comes down to insects. We like the spiciness that comes with mustard, but to insects it is toxic. When insects, such as caterpillars, bite into mustard, or wasabi, the gas is released and kills the insect. However, that is not the end of the story because over millions of years, some insects have evolved the ability to survive the AITC gas. This meant that the plants had to evolve a greater level of toxicity, and so on. If we had eaten mustard millions of years ago, it probably wouldn’t have been anywhere near as spicy as it is today. And this is what I learned today.

PAGE TOP