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校長・教員ブログ

校長・教員ブログ  2022.12

(英語で読みたい方がいれば、日本語の下に英語の版があります。)

なぜ猫は物を倒さないのか?猫には顔だけでなく、足にもヒゲがあることがわかった。

娘とドミノ倒しをしていると、必ずと言っていいほど、娘か私のどちらかがドミノを倒してしまう。二人とも感覚がないようだ。それなのに、うちの猫は何本も並んだその上を、まるで何もなかったかのように歩いていく。なぜだろう?猫には顔だけでなく、足にもヒゲがある。そして、足のヒゲがあるからこそ、簡単に物の上を歩くことができるのです。

猫には2種類のヒゲがあります。顔のヒゲと足のヒゲです。ヒゲは毛ですが、猫の他の毛とは違います。猫の爪の鞘(さや)と同じケラチンでできているのです。他の毛よりもずっと丈夫で長いのが特徴です。ウィスカーには、血管やたくさんの神経も通っています。ウィスカの毛根は他の毛根よりずっと深く、筋肉とつながっていて、単独でもグループでも動かすことができます。 ウィスカの神経は脳に信号を送り、脳にはウィスカを処理するための領域があります。猫の脳の40%は、ウィスカの情報を処理するために費やされていると言われています。

猫の種類によってヒゲの本数は異なるが、一般的には顔の両側に12本ずつ、合計24本ある。このヒゲは、空気中のわずかな振動を拾うことができるほど敏感である。 猫はこの敏感なヒゲをさまざまな用途に使っている。まず、猫の周囲を探ること。猫は近くの視力がとても悪いので、ヒゲを使って周りを「見る」のです。物体を感じたり、他の動物が通過する振動を感じたりすることができるのです。ヒゲは、物体から跳ね返る空気を感知するソナーに非常によく似ており、猫にそのエリアの心象風景を与えることができます。

また、ヒゲは、猫が通れる場所と通れない場所を教えてくれる。ヒゲは、猫の体の幅に相当する。ヒゲが通るなら、他の猫も通ることができる。また、ヒゲは猫の目を保護する役割も果たしています。猫が高い草や茂みの中を歩いているとき、目の高さに何かがあると、ヒゲが目を閉じるタイミングを知らせてくれるのです。

また、ヒゲはバランス感覚にも役立っている。猫がバランス感覚に優れているのは、ヒゲの先端にある固有感覚器によるものです。これは、猫の手足や体の位置に関する情報を脳に送ることができる。これが、猫がいつも足から着地できる理由のひとつです。

では、なぜ猫は物を倒さないのでしょうか?猫には前足と後ろ足にもヒゲがあります。これは手根ヒゲと呼ばれるもので、顔のヒゲと同じような働きをしていますが、少し違う目的があります。猫は近くを見るのがとても苦手です。ネズミや鳥を捕まえても、動いているかどうか、ちゃんとつかめているかどうかがわからない。手根のヒゲは、獲物がどこにいるか、じっとしているかどうかを感じ取るためのものだ。

また、手根のヒゲには、顔のヒゲが持っている神経や固有感覚器もあります。そのため、猫はヒゲだけで、近くにあるものを感じ取ることができるのです。うちの猫はドミノ倒しの上を軽々と歩いているように見えるが、実は両足のヒゲがドミノ倒しの跳ね返りを感知しているのである。まるで両足のミニソナー。

猫のヒゲは、毛と同じように抜けても生えてくる。猫のヒゲは決して切ってはいけない。猫はヒゲを頼りに移動しているので、切ってしまうとフラフラして動くのが怖くなる。私たちの指を切るのと同じことです。また、猫はヒゲ疲れを起こすことがあります。これは、猫が感覚過敏になったときです。餌が狭い器に入っていて、ひげが常に器とこすれていると、このひげ疲れを起こします。

そこで、彼らは足にあるこのヒゲを使って、自分が持っているもの、あるいは隣に立っているものを感じ取ります。だから、ドミノ倒しのようなものを倒さずに歩くことができるのです。倒したくなければね。うちの猫みたいにね。ちょうど私たちが食べ終わろうとするときに。なぜなら……彼は猫だから……そして、それが猫のすることだからです そして、それが今日私が学んだことです。

Why don’t cats knock things over? It turns out that cats have whiskers on their legs as well as their faces. 

When I’m making a line of dominos with my daughter, it is inevitable that either she or I will knock them all over. We both seem to have no sensory perception. And yet, my cat walks over multiple lines of them as though they are not there. Why? It turns out that cats have whiskers on their legs as well as their faces. And the whiskers on their legs are the reason why they can walk over objects so easily.

Cats have two types of whiskers. The whiskers on their face and the ones on their legs. The whiskers are hairs, but they are different to all of the other hairs on the cat. They are made of keratin, the same material that makes the sheaths over cats’ claws. They are much stronger and longer than any other hair. The whiskers also have blood vessels and lots of nerves in them. They have much deeper follicles than other hair follicles and are connected to a group of muscles which allows the cat to move them independently or as a group.  The nerves from the whiskers send signals to the brain, where there is an area of the brain reserved for dealing with them. Up to 40% of a cat’s brain can be devoted to dealing with whisker information.

Different species of cat have a different number of whiskers, but they generally have 24: 12 on each side of their face. The whiskers are so sensitive that they can pick up slight vibrations in the air.  Cats use these sensitive whiskers for many different purposes. The first purpose is to feel out the area around the cat. Cats have very bad vision up close, and they use their whiskers to “see” the area around them. They can feel objects and they can feel the vibrations of other animals passing. The whiskers are very similar to a sonar in that they can detect air bouncing off objects and can give the cat a mental picture of the area.

Whiskers also tell cats what they can and can’t fit through. The whiskers are the width of the cat’s body. If the whiskers will fit, so will the rest of the cat. The whiskers help to protect the cat’s eyes as well. When the cat is walking through tall grass or bushes and there is something at eye height, the whiskers will alert the cat in time to close its eye.

The whiskers help with balance as well. Cats have superior balance because of proprioceptors at the end of each whisker. These can send information to the cat’s brain about the position of its limbs and body. This is one of the reasons why cats can always land on their feet.

So, why don’t cats knock things over? Cats have whiskers on their front and back legs as well. These are called carpal whiskers and they work in the same way as the whiskers on the face, but they have a slightly different purpose. Cats have very bad close up vision. If they catch a mouse or a bird, they can’t see if it is moving or if they have gripped it properly. The carpal whiskers let them feel where the prey is and if it is still or not.

The carpal whiskers also have the nerves and proprioceptors that the facial whiskers have. This allows the cat to sense when things are near just by using the whiskers. My cat appears to effortlessly walk over my dominoes, but the whiskers on each leg are actually sensing the air that is bouncing back off these objects. Like mini sonar on each leg.

Cats lose their whiskers and they grow back, the same as with all of their hair. You should never trim a cat’s whiskers. They depend on them so much to navigate that if you cut them off, the cat will be dizzy and afraid to move. It would be the same as cutting our fingers off. Cats can also get whisker fatigue. This is when they get sensory overload. If their food is in a narrow bowl and their whiskers constantly rub against the bowl, they can get this whisker fatigue.

So, they use these whiskers on their legs to feel what they are holding or standing next to. And that is how they can walk over things like dominos without knocking them over. Unless they want to. Like my cat does. Just as we’re about to finish. Because … he’s a cat … and that’s what cats do! And that is what I learned today.

校庭のクリスマスツリーにあかり が灯り、さあ 12 月だ。

12月 といえば いろいろ な作品があるなあ・・・ 樋口一葉「 大 つごもり」、荒井由実「 12 月の雨」 ・・・ ん? 、マルシャーク「森は生きている」の 原題は「 12 月」 、 ・・・ そして 「マッチ売りの少女」 、 12 月のクリスマスの夜の悲しい物語 ・・・ 。

「“マッチ売りの少女”にしましょう!」

と、幼いころ妹と繰り返し読んだというM 女史 。

「 NPO ことばの ひろば 五億の鈴の音 」 の仲間たちと今年の朗読会で読む作品を選んでいた。 朗読を 通して 、表現活動の場や技術向上の機会を提供 し 、 子どもたちの心と言葉を育むことを目的として活動する NPOである 。

今年は『 大人も子どもも朗読会 』 と題して、 「 12 月 に 「 豊平館 」 を会場に 朗読会のステージに立ってみませんか !」 、と SNS で 呼びかけ 、 8 名の子供と 12 名の大人が名のりをあげ てくれた。 彼らに読んでもらう作品を選んでいたのだ ・・・ 12 月 、 冬、雪の豊平館にふさわしい作品とは・・ ・

選ばれたのは、

1.「雪女」小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)作

2.「注文の多い料理店」宮沢賢治作

3.・・・

M

女史 の ひと 声に、「そうね、いいね」と私も賛成、他のメンバーもうなずき、決定!

「それにしても、 なんて悲しい 、 救いのない・・ ひどい話 ・・」と思っていると、作品担当は私になっていた!読み手に名乗りを上げた3 名の小学生と 3 名の大人の 朗読者に作品解説をし、朗読の練習をするのだ。

「マッチ売りの少女」は、 デンマークが生んだ 偉大な 童話作家ハンス・クリスチャン・アンデルセン の名作 だ。「はだかの王様」「人魚姫」「すずの兵隊」「みにくいアヒルの子」「雪の女王」 ・・・アンデルセンの作品を読まずに大人になった人はいないのではないかと思うほど、子どもたちのそばにあった物語達。

彼の作品 に は、アンデルセン自身の波乱万丈 の 人生 が 投影 され、 初期の作品は救いのない結末が多く「死ぬことでしか生きる苦しみから解放されることのない貧しい人々、それに 無関心な冷たい 社会」 が描かれているという。生涯創作活動を続けたアンデルセンは、努力の甲斐あって晩年には社会に一目置かれる存在となり、物語も結末に希望の光が見えるも のに変わっていった。

しかし、「マッチ売りの少女」は比較的後期の作品なのだ。この結末にしたアンデルセンの意図はどこにあるのか。マッチ売りの少女って誰なんだろう・・・ 謎解き「マッチ売りの少女」 の 始ま り靴職人の父と、その父よりかなり年上の 母のもとに生まれたハンス・クリスチャン・アンデルセンは、貧しいながら愛情を受けて育つ。父親は物語を読み聞かせたり、人形劇のおもちゃを手作りしてくれたそうだ。 母は信心深く息子を宝物のように大切にした。 しかし 10 歳でその父親を戦争で失う。生きるために母は再婚し (そうするしか女性には生きるすべがない時代だった) 、ハンスは 15 歳で家を出て自立の道へ。

最初はオペラ歌手 になろうとしたというハンス、挫折と失敗の連続の中、なぜか人に恵まれ、大学に行かせてもら い 、ひとかどの教養を得て文筆活動を始めたようだ。

40歳になり、童話作家として 認められるようになった アンデルセンは、ある日一枚の版画を渡され 、 それに物語をつけてほしいと依頼 され る。手に 、 火が 灯る 一本のろうそくを持った少女の 挿絵 、 そこに 描いた 物語 ・・・とは?

アンデルセンの心に浮かんだのは・・・極貧の家に育ち、幼いころから物売りに出され、稼ぎがないと継父にぶたれながら、なんとか自分の命だけを守りぬいて生きていた少女・・・それはアンデルセンの母のことだった。幼いころ母親から聞いた昔語り、現実とは思えないほど辛く悲しい現実を物語に込めた・・・

「マッチ売りの少女」が世に出たのは1848 年、ヨーロッパは革命の嵐が吹き荒れ、デンマークでも三月革命が起きた。ヨーロッパ全土は3 年に渡る大飢饉で食べるものも行き渡らず、持てる者と持たざる者の格差は広がり、それをどうすることもできない時代の「生きる権利」を求める革命であったそうだ。まさに「死ぬことでしか生きる苦しみから解放されることのない貧しい人々、それに無関心な冷たい社会」を描き出した物語だったのだ。

あまりの悲しい結末に、ある国では後半を大きく変えてハッピーエンドにして出版されたものもあったそうだ。

でも、それはどうなのだろうと思う。アンデルセンが伝えたかった事、残したかったことを読み継ぐことの意味をちゃんと受け止め伝えたい。読んだ者の心に残る「なんてひどい・・・」、いつの世も、どの社会にもいる辛く悲しい境遇の子供たちのことを忘れない、少しでもできることを考える一人であってほしい・・・。

10月、時節柄、オンラインで「朗読会」の練習が始まった。

小学生の理解力、学習力、表現力に感動する! 無垢な心に響いた物語を素直に表現してくる。

「おばあちゃん!」と、少女は大声を上げました。「ねぇ、わたしをいっしょに連れてってくれるの?でも…… マッチがもえつきたら、おばあちゃんもどこかへ行っちゃうんでしょ。……

(青空文庫 大久保ゆう訳「マッチ売りの少女」より)

のくだりを、担当するYちゃんに読まれると、毎回、涙腺崩壊しそうになる・・・

アンデルセンの時代も、今も、かのウクライナにも、ロシアにも、そしてこの日本にも、世界中のどこにでも、自分の力ではどうしようもない弱い立場の人々が存在してしまう人間社会。とりわけ「女の子」がその苦しみを背負わされることが多いことを私たちは知っている。「そのことに気付いて、どうぞ忘れないでいてほしい」、と心に刻みつけるような悲しい物語で、アンデルセンは世に訴えたかったのかもしれない。

『大人も子どもも朗読会』は12月11日日曜日、豊平館のステージでその思いが時を超えて読み継がれる。

教室から外を見ると、クリスマスツリーの輝く木。

スミス先生が創ってくださったこの学校にクリスマスが近づいている。

130年の時を経て、私たちは暖かい教室で、友達がいて、勉強ができていることがどういうことなのか・・・、

Shine like stars in a dark world. クリスマスの夜に、思い出してみてほしい。

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