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校長・教員ブログ

校長・教員ブログ  2024.01

こんにちは。英語科教諭の田邊と申します。今回は私がアメリカ留学した時のことを振り返って、留学して間もなく経験したことから、これから留学に行く生徒の皆さん、留学をしたいと思っている生徒の皆さんが留学前にすべきことについて話したいと思います。

 私がアメリカに留学したのは、アメリカの大学院でTeaching English as a Second Language(第二言語としての英語教授法)を学ぶためでした。当時、英語教員を目指していた私にとって、そこでの学びを未来の私の生徒たちに役立てたいと考えていました。

 授業が正式にスタートする前に、留学生向けのオリエンテーションがあり、そこでたくさんの留学生、特に韓国や中国、台湾、マレーシア、タイ、ベトナム、インドネシア、ミャンマーといったアジアの国々からの留学生と出会いました。

彼らと話をする中で感じたのは、彼らの多くが日本人に対してマイナスのイメージを持っていることでした。彼らのお爺さんお婆さん世代が太平洋戦争を経験しており、その間の日本の行動を考えると無理もないことです。そして、その行動に対してあなたはどのように考えるかと聞かれたときに、私は恥ずかしながら、満足な答えを返すことが出来ませんでした。それは、私の英語力不足といういうよりもむしろ、私は過去の悲劇についての知識はあったにしても、自分はどう考えるのか、彼らに質問されるまで明白な意見を持っていなかったからでした。

そのことをきっかけにして、私は日本が過去に起こした過ちについて自分がどう思っているのかを考えました。そして、過去に起こったことは変えることは出来ないので、その過ちを素直に認めて日本人として謝罪し、今後二度と同じ過ちを繰り返さないように努めることが大切だと考えました。そして自分と同世代の外国人との理解を深めることによって、平和の実現が可能なのではないかと思うに至りました。

私は当時、大学の寮に住んでいたので、そこで多くの留学生と出会い、過去に日本が起こした戦争について、さらに話す機会がありました。時には夜遅くまで話すこともありました。折しも私が滞在しているときに、日本の真珠湾攻撃から50年という節目の年を迎えて、TVや新聞でそれに関する特集が組まれたことや、日本企業によるアメリカ企業の買収などで、アメリカ人の日本人に対する風当たりが厳しい時でしたので、寮に住んでいるアメリカ人からも強く非難されることがありました。そんな中で、自分の考えを素直に伝え、互いに理解を深めることで、少しずつ友人関係を築くことが出来ました。

留学先で出会う人々は、皆さんを通して、日本という国、つまり日本の文化や日本人の考えを知ります。ですから、日本の文化や歴史に対する正しい知識を持っていることはもちろんのこと、それに対する自分の考えをしっかり持つことがとても大切だと思います。いくら英語が上手に話せても、自分の意見をしっかりと伝えられなければどうにもなりません。ですから留学する前に、どのようなことに対しても、自分の考えをしっかりと持つように努力してみてください。そして留学先では草の根の親善大使として、世の中の平和のために少しでも力になってもらえれば嬉しいです。

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