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校長・教員ブログ

校長・教員ブログ  2020.07

旧約聖書(新共同訳) 539頁 列王記 上 723

「彼は鋳物の『海』を作った。直径10アンマの円形で,高さは5アンマ,周囲は縄で測ると30アンマであった。」

  私たちにとって,とても身近にある聖書の言葉です。その中でもこの箇所は,数学好きには,非常に興味深い場所です。僕はとってもこの箇所が気になっています。

 なぜって?それはこの箇所が世界最古の円周率に関する文献だからです!(千葉調べ)

円周の長さは直径×3.14ですね。旧約聖書はイエス キリストが誕生する前のお話しですから,今から約3000年ほど前の事です。円周率が3であることが示されました。ロマンを感じずにはいられません。

  2003年度入試において,東京大学が「π>3.05を証明せよ」という,今では伝説ともいえる問題を出題しました。すごいですよね!中学生の知識だけでも解けますが,入試当日にこの問題をみた受験生はとてもびっくりしたことでしょう。

 2015年,僕は1冊の本を買いました。「円周率 1,000,000桁表」という本です。お値段なんと314円!円周率の小数点以下の値が1,000,000桁並んでいるだけの本ですが,この本を手にしたとき,とても嬉しくなりました。ちなみに,1,000,000桁目の数字は1です。

  2019314日,日本出身の岩尾エマはるかさんによって円周率の小数点以下314000億桁まで発表されました。発表日やその桁数まで円周率にこだわっています。

 どこまでも終わることのない円周率…これほどまで人々を魅了する数字は他にないでしょう。そこに円周率がある限り,その小数点以下は永遠に続きます。

 ところで,円周率ってそもそも何だろう?3.14159265…ではありませんよ。この意味わかるかな?

 年に一度の人間ドックの日はとても憂鬱です。間違って水分を取ってしまわないか、バリウムを失敗せずに飲めるかという緊張感と、何より命に関わるテストに臨む気分で「あ~またこの日が来てしまった…」という思いからなんとか自分を奮い立たせて病院に向かいます。そんな人間ドックの唯一の楽しみは待合室に備えられている雑誌を読むこと。自分のお金ではもったいなくて買えない高価な雑誌をゆっくり眺める、少しだけ優雅な気分です。

 その時に読んだエピソードの一つが今でも心に残っています。あるファッション誌のコラムで、タイトルは「もしも…なら…」。「もしも…なら…」って何だろう?If構文か? ファッション関係の仕事をしている筆者(女性)が中学時代の同級生(男性)と再会したときのエピソードでした。当時を振り返っての話が盛り上がる中で、今では広告業界で勤務している彼が、忘れられない恩師への感謝として次のように語ったというのです。

中学の国語の授業でのこと、「『もしも…なら…』で短文を作りなさい。」という課題に、「もしもし、ならけんの人ですか。」と答えたのに対して、先生は否定をしなかった。そのことが今の自分を作っている。

なるほど!言葉って面白い。たしかに「もしもし、ならけんの人ですか。」もアリだ。中学時代の彼の自由な想像力に水を差すことのなかった先生の存在が、言葉を通してトレンドを作り上げていく広告業界での彼の活躍につながるのでしょう。

私自身も中学時代の音楽の先生のことが思い返されます。当時の音楽のテストは交響曲を聞き込んで、その主題構成を理解する、なかなか手強いものでした。レコードを買って、何回も聞いて、おかげでクラシックの良さをほんの少し垣間見ることができたように思いますが・・・その先生はテストを返却する際、毎回「珍回答」を発表するのです。

問題、ベートーベンの交響曲第9番(   )付き、(   )に当てはまるのは?(おまけ)付き、(折り紙)付き、(いわく)付き・・・

解答が紹介される度に、クラス中が笑いに包まれ、テストが終わった開放感も手伝ってか、ほんわか温かい雰囲気になりました。正解することしか頭になかった私にとって、世界の見え方が変わった出来事です。

 国語教育に携わって三十年近い時間が流れました。柔らかな発想を持つ中学生や高校生と一緒に言葉の面白さを楽しめているか、想像力を摘み取っていないか、改めて考えさせられ、大切にしていきたいこととして思いを新たにしています。

イギリスやアメリカで大人気のテレビ番組「Got Talent」を見たことがありますか?才能豊かな挑戦者が歌やダンスなどを披露し、多くの感動とドラマが生まれています。

 番組のタイトルにもなっているTalent(タレント)という言葉。日本語で「才能」と訳されますが、元々は古代ギリシャの通貨単位タラントンに由来します。では、1タラントンはどの位の価値でしょう?1万円?10万円?100万円?いいえ!何と6000日分の賃金で、仮に一日1万円なら6000万円にもなる大金です。このタラントンについて、イエス・キリストの有名なたとえ話が聖書に記されています。こんなストーリーです。

 ある主人が僕(しもべ)に、それぞれの力に応じて財産を預けて旅に出ます。それを元手に商売をしたところ、五タラントン預けられた人はさらに五タラントン、二タラントン預けられた人はさらに二タラントンをもうけました。でも一人だけ違いました。一タラントンを預けられた人です。この人は穴を掘り、金を隠しておくのです。月日が流れ、やがて主人が旅から戻り清算を始めます。主人は五タラントンを預けた者に言います。「忠実な良い僕だ。よくやった。お前は少しのものに忠実であったから、多くのものを管理させよう。主人と一緒に喜んでくれ。」(マタイ2521節)主人は二タラントンを預けた者にも同じ言葉を述べて喜びます。でも、一タラントンを預けた者には…。

 なぜ一タラントンの人はチャンスを生かせなかったのでしょう?主人が恐ろしかった?失敗するのが嫌だった?他の人より少ないので、すねた?…6000万円もの大金なのに。

 人と比べやすいわたしたち。あれもない。これさえあれば。あの人のようになれれば。ああ、人生不公平!そんな気持ちになることもあるかもしれません。でも、本当にそうでしょうか。実際は、誰もが使いきれないほどのタレント:才能や素質やチャンスなどを与えられていないでしょうか。それに気づいて養い育て、磨きをかけて、自分らしく輝くことができれば素晴らしいですね。

 ちなみに日常的に使われている聖書の言葉が他にもあります。「西暦」「新しい酒は新しい革袋に」「アルファ・オメガ」「偽善者」「砂上の楼閣」「地の塩・世の光」「一粒の麦」「日々の糧」「豚に真珠」「迷える子羊」「目からうろこ」など(創元社「キリスト教入門」参照)。ぜひ調べてみてください。

みなさんはいつもどんな時音楽を聞きますか?どんな時に音楽を聴きたいと思いますか?

私はどちらかというと、予定通りに物事が進んでいるときは音楽を聞きたいという気持ちになることは多くありません。それは、もしかしたら自分の中で音楽を意識できるからなのかもしれません。反対に身の回りの物事が停滞したり立ち止まらなければならない時、進むべき道を探っている時には、音楽を聴きたいという思いになるように感じます。

そのように感じるのは、私が50年以上音楽に係ってきたことが影響しているからかもしれませんが、身近に音楽がある生活は自然なことである以上に必要なことでもあるように感じます。

近年、技術の発展は目ざましく、聞きたいと思った音楽をあらゆる場所で聞ける時代になりました。聞く側だけでなく音楽を発する側にとっても、同じことが可能になりました。そんな便利になった時代に、私が大切にしたいと思っていることがあります。人工的な技術が介入しない音楽そのもの、音が生まれる瞬間を忘れないでいる事ことです。

そんな思いを確認したくて、「つまびく」「奏でる」「声を発する」者と聴く者の間に人工的な何物も介入しない音楽を時々聴きくようにしています。

以前、「文字を持たない社会はあるが、音楽を持たない社会はない」と書かれた文章を読んだことがあります。その時思い浮かべたのが、アイヌ民族が持つ壮大な口承文学である抒情詩「ユーカラ」のことでした。音楽は時間と空間をも超えて、瞬時に私たち自身が必要とする場所に心を運んでくれる存在です。「ユーカラ」がつくりだした世界は言葉と音楽が融合することのすばらしさを思います。

私たちの生きる時代が、コロナ禍にあって、不安と苛立ちの中で音楽が排除される社会でなく、そのような状況の中で、音楽が必要とされ迎い入れられる社会であって欲しいと願います。

最後に、人間の身体にはリズムがたくさんあるといいます。ちなみに、心臓の鼓動リズムは『ド・ク・ン』『ド・ク・ン』『ド・ク・ン』の3拍子です(2拍子ではありません)。人は生まれる前からこの3拍子を聴いて成長します。3拍子の音楽を聴くと心が落ち着くと言われえるのはこのためでしょうか。

日本人に親しみのある代表的な曲、『ふるさと』、童謡の『ぞうさん』は何拍子でしょう?

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