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校長・教員ブログ

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Stay Home期間にSNS上で”My book cover challenge”なるものが回ってきました。1週間、毎日本を1冊ずつ紹介し、その都度1人の友だちにバトンを渡すというものです。忙しさや視力の衰えとともに最近ではすっかり読書から遠ざかっていたので、学生の頃読んだ小説やエッセー、勤めてからの朝読書用文庫本などを引っ張り出して本選びを始めました。

色々悩んだ末、私が選んだのは絵本でした。最近は話をすることも少なくなってしまった中3の息子に、幼い頃読み聞かせていたものです。数年前にかなり処分しましたが、私が大好きな絵本はどうしても捨てられず残してありました。読み返すと、当時の息子とのほのぼのとした時間が蘇ります。

 

「おこだでませんように」 くすのきしげのり・作  石井聖岳・絵

   家でも学校でも、いつも怒られてばかりの男の子。悪気はないのに、不器用なだけなのに、いつ  も怒られて、悔しくて悲しい思いをしています。そんな男の子が、七夕の短冊に「早く書きなさい!」と怒られながら一生懸命書いた願いごとが「おこだでませんように」。それを見て涙を浮かべて謝り、ほめてくれた先生。話を聞いて泣きながらぎゅうっと抱きしめたおかあさん。私も息子に「何をしても怒られる!」と言われることがよくありました。親はそんなつもりはなくても、子どもはそんなふうに思っているのかと思うと、読むたびに泣けてきます。

 

「よるくま」 酒井駒子

   小さな男の子の夢の中に現れたくまのこ・よるくまが、目を覚ますといなくなっていたおかあさんを探しています。男の子も一緒に探し回りますがどこにもいません。「おかあさんは?おかあさんは?」と泣くよるくま。真っ黒なよるくまの涙であたりはどんどん暗くなって、真っ暗になって…そこにおかあさん!「おかあさん、どこにいってたの?」と抱きつくよるくまの表情がツボです。おかあさんにお布団をかけてもらって安心して眠りにつくよるくまと男の子。だよね、だよね、本当はきっとこんなふうにおかあさんのこと大好きだよね?と思わせてくれるのです。

 

「はしるチンチン」 しりあがり寿

   シュールな作風の漫画で知られる作者の初の絵本。まさに「コドモそのもの」の3歳の男の子がフルチンで世界を駆け抜けます。苦しんだり悩んだりしているオトナに生きる希望ややり直す意欲を与え、世界中の争いや平和、不幸や幸福を目にしながらどんどん進んで行きます。やがて「スキスキダイスキ」は「うまれてくれてアリガトウ」という意味なんだと知った男の子は大きな「スキスキダイスキ」に包まれて…最後は温かなおかあさんの腕の中に戻ります。

 

 素直に大人の言うことを聞きたくないお年頃。悩まされることも多いけど、やっぱり「スキスキダイスキ」なんですよね。すべてのお父さん、お母さんもきっと同じ気持ちのはず。子どもたちにその気持ちが届きますように。

 

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