「4年に一度じゃない。一生に一度だ。」 社会科教諭 岩橋一成
➀ 今から一年前に「ラグビーワールドカップ 日本大会」が開催されました。
ラグビーワールドカップは、オリンピック、サッカーのワールドカップと並び「世界3大スポーツ大会」の一つに数えられていて、1987年から4年ごとに行われています。去年の日本での開催は第9回目の大会で、アジアでは初めてでした。また、優勝トロフィーは「ウェブ・エリス・カップ」と呼ばれています。このトロフィー名は、ラグビーの発明者とされるウィリアム・ウェッブ・エリスが由来となっています。
去年の9月20日に日本VS ロシア戦で開幕して、11月2日に決勝戦が行われ、優勝国は南アフリカ共和国、準優勝はイングランド、三位はニュージーランドという結果で幕を閉じました。観客動員数は約170万人(1試合平均は約37000人)に達しました。
ある観客の方々は、次のように教えてくれました。
「 次のワールドカップにも必ず応援に行くから、また4年間ハードワークするよ。しっかり働いて、たくさん貯金して、自分の国のチームの応援に行くんだ。そのためなら頑張れるよ。」
➁ 昨年の大会を通じて、最もインパクトがあったのは開催国の日本代表チームだったことに異論はないかと思います。日本代表は、予選プールA組(予選は参加20カ国が4つのプールに分かれて、それぞれ5カ国が総当たりするリーグ戦)で、ロシア、アイルランド(優勝候補の一角、大会開幕前は世界ランク1位)、サモア、スコットランドとプール内のすべての対戦国に勝利し、予選プールを1位で通過しました。(史上初の予選プール突破)この快進撃もあって、日本中にラグビーブームが巻き起こりました。事実、全国のラグビースクールでは入部希望者が激増したのだそうです。その後、決勝トーナメントでは、残念ながら初戦の準々決勝で優勝した南アフリカ共和国に敗れてしまい、ベスト8という結果でした。
ある選手は大会後のインタビューで、次のようにコメントしていました。
「 また試合での勝利を味わいたいけど、『もう一度、同じ合宿をやるぞ』と言われたら、ちょっとそれは勘弁してほしい。高校の時でもこんなに練習したことはないし、代表合宿がこれまでの選手生活での練習量のMaxだったから。」
➂ 代表選手の中でも北海道、特に札幌に最も縁があるのは、キャプテンをつとめたリーチ・マイケル選手ではないでしょうか。「ONE TEAM」というチームの合言葉のもとで、抜群のキャプテンシーを発揮し、体を張ってチームの勝利に貢献していました。ちなみにリーチ選手は、ニュージーランドのクライストチャーチの出身ですが、高校三年間を留学生として札幌で過ごしています。その後、日本に帰化(2013年に日本国籍を取得)して、日本代表のほかに社会人リーグなどのトップレベルで活躍しています。
リーチ選手はインタビューで、次のように答えていました。
「 高校の全国大会で、『あの留学生、たいしたことないね』という会話が聞こえてきて、とても悔しかった。全国大会から帰ってきて、次の日からすぐに練習を始めた。それからは、必死に努力を続けた。その悔しさが、今の自分を支えている。」
➃ 「ONE TEAM」は、日本代表ヘッドコーチのジェイミー・ジョセフ氏が決めた合言葉です。ワールドカップ代表のメンバー31人中の15人は外国出身者であり、それぞれに生まれた国や母語や文化などが異なる選手たちを結束させるために用いたスローガンだったとのことです。そして、見事にチームは一致団結し、日本ラグビー史上初の決勝トーナメント進出を果たしました。
ジョセフ氏はインタビューで、次のようなコメントを残しています。
「 ヘッドコーチの重要な仕事とは、選手が信じることのできる環境を創造することだと思います。選手に自信を与えていくこと。それが私のやるべきことです。」
➄ 「4年に一度じゃない。一生に一度だ。」
これは、「ラグビーワールドカップ 日本大会」の公式キャッチコピーでした。
「一生に一度の北星女子での○〇〇」
皆さんは、どんな言葉が思いあたりますか。