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校長・教員ブログ

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ブログをご覧いただいている皆様こんにちは。社会科を担当しております、菊地誉と申します。どうぞよろしくお願いいたします。私は本校に勤務して10年になりますが、この間微弱ですが「私学助成署名運動」の担当として携わっております。そこで、今回のブログでは「私学助成運動」とは何か?について、お話させてください。しばらくお付き合いいただけると幸いです。

 

 3点に絞ってお話させてください。

 

 まず1点目、「私学助成署名運動」とは何か?ということです。

 この運動を簡単に申しますと、「国公立学校と私立学校における補助金の格差を無くし、すべての子どもたちが等しく学ぶことができる教育環境を作るよう、国や道に要請する署名運動」のことです。

 この運動の出発点は、「すべての国民は、ひとしく教育を受ける権利を有する…(憲法第26)」「国及び地方公共団体は、能力があるにもかかわらず、経済的理由によって就学困難な者に対して、奨学の方法を講じなければならない(教育基本法第32)」というルールがあるのに、現実はそうではない…。矛盾している現状に声を上げたのが、この運動のスタートです。

 この運動の歴史は古く、1971年から始まり、47都道府県の各私立学校の保護者、生徒、教職員が中心となって取り組んでおります(正確には、各都道府県、有志の私立学校です)。ちなみに全国組織もあり、来年は運動50年の節目でもあります。

 国公立・私立の格差は依然として残っておりますが、根強い運動の結果、徐々に格差は縮まってきております。

 

ざっくりですが、1年間に1人の高校生を育てるのに、国公立・私立問わず、約120万円かかります

☆ 国公立の場合は、国や各地方が生徒1人当たり約120万円を補助(所得制限あり)つまり、ほぼ無償

★ 私立の場合は、国や各地方が生徒1人当たり約47万円を補助(所得制限あり)。つまり、120477373万円は保護者が負担ということになります。

 これが毎月支払っていただく学費であり、この格差を無くすための取り組みがこの運動の趣旨です。

 

 2点目、「支援拡充」が進んだ結果…

長きにわたる地道な運動ですが、年々私学に対する「支援拡充」が進んでおります。特に2010年から「就学支援金制度」が創設され、2020年は国からの画期的な支援制度が大幅に拡充された年でもあります。

支援が拡充されたことにより、全国でどのような変化が起こっているのか、次の表をご覧ください。

Kikuchi 1

 

 

 

 

 

 

つまり、近年の少子化で高校生が年々減少しているにもかかわらず、徐々に私立高校生の割合(比率)が増えております。これについては、様々な分析があると思いますが個人的には、学費の格差が縮まることにより、「建学の精神」「特色ある教育内容」で学校を選ぶ…何よりも「学びたい学校に行く」といった傾向が強まった結果であると考えます。

 

 3点目、「世界の中の日本」

 「私立は学費が高くて当然」という意識は日本人皆が持っている概念だと思います。(以前私もそうでした)ところが、世界各国と比較すると日本の様子がわかります。次の表をご覧ください。

Kikuchi 2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 先進国の国々でも国公立と私立の格差があることは否めません。しかし、私立学校でも国等からの支援が手厚い「公費私立」の形態がほとんどです(つまり、公私間の格差は小さいということ)。一方、日本の私立学校は国等からの支援が少ない「独立私立」がほとんどです。これが世界の中の日本の現状です。これも個人的意見ですが、日本だけ取り残されている感じがいたします。(ちなみにオランダは憲法に「多様な国民を育てるためには、私立学校がないといけない」と規定されているようです。)

 

 いずれにせよ、国公立・私立問わず、お金のことを気にせずに「行きたい学校へ」、「学びたい学校へ」行ける社会となることを願いながら、この活動を行っております。お知り合いの方からこの署名のお願いや、街頭での署名などでお見受けすることがありましたら、ぜひ署名のご協力をお願いいたします。さらにご賛同いただける方は、拡散願います。

 最後までお付き合いいただきありがとうございました‼

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