校長・教員ブログ
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テレビや映画、youtubeなどの映像メディアは、今や「音」を伴うものがほとんどです。映像の方に目が行きやすく、自然と聞こえてくるその音の多くは脇役として私たちの耳に入ります。主役の映像を、脇役の音がうまく引き立てている?という構図は、音楽の教員としては何か納得のいかない気持ちにもなりますが…。
音抜きの映画やテレビ、ドラマを想像してみてください。どこか物寂しく、面白さは半減してしまいませんか。主題歌、効果音やBGMなどは場面を強調したり、登場人物の気持ちを代弁したり、様々な効果を担っているのです。音楽が醸し出す情感は、その状況を何よりも語ることができます。ホラー映画では強烈な効果音で人々の恐怖心を煽り(それが嫌で私はホラーを見ません)、感動系のドラマではちょうど泣けるその瞬間に、欲しかった音楽が流れ出して涙が…なんてこともありますよね。
また、調の違いもシーンの印象を大きく変える要素です。親子が二人で歩いている映像に、長調(陽気な)音楽を合わせれば、二人は楽しそうに会話している様子に映ります。ですが、同じ映像に短調(悲しい)音楽を合わせると、まるで大人が子供をさらっているかのようにも見えるでしょう。実は見ている映像には、聞こえてくる音楽が大きく影響し、心の中でストーリーが出来上がっているのではないでしょうか。
「王様のレストラン」という私の好きなドラマがあります。当時再放送されていて、何度も見た記憶があります。廃れたフレンチレストランを立て直すために、従業員たちが奮闘するというストーリーですが、私は何と言ってもそのドラマでかかる音楽たちがとにかく好きなのです。音楽を手掛けた日本の作曲家・編曲家の服部隆之さんは、NHK大河ドラマ「新選組」や「真田丸」、ドラマ「HERO」「半沢直樹」など、あれも?これもそうだったの?!と思えるほど多くの作品を担当されています。この「王様のレストラン」で流れる楽曲は、上で書いたような効果が存分に散りばめられているような気がします。曲を聴くだけで、フレンチレストランで起きた小さな奇跡が思い起こされ、従業員たちの悩ましい表情が浮かび、料理のおいしい香りが漂ってくる感覚になるのです。右脳が動き、五感が働く、そんなおかしな感覚にさせてくれる音楽に感謝です。
様々な用途で使われている「音」はとても大切であり、意味や価値のあるものだと感じます。今見ているテレビや日常生活で流れる音楽に耳をかたむけ、自分の感情を揺さぶる「音」をぜひ見つけてみてください。