検索 OPEN/CLOSE

校長・教員ブログ

校長・教員ブログ  2023.01

2022年中東カタールでサッカーワールドカップが開催された。多くの人々と同様に筆者も、テレビの前で日本代表選手を応援していた。ハーフタイム中のコマーシャルから懐かしいメロディーが流れてくる。

 

負けない事 

投げ出さない事 

逃げ出さない事 

信じ抜く事 

駄目になりそうな時

それが一番大事

 

負けない事 

投げ出さない事 

逃げ出さない事 

信じ抜く事 

涙見せてもいいよ

それを忘れなければ

 

https://www.youtube.com/watch?v=K_CA3rhbcM4

(みずほフィナンシャルグループ サッカー日本代表:CM「届け、僕らの代表へ。」編(60秒)より)

 

皆が歌える歌はそれだけで素敵だと思うし、ただ根性論で頑張る事だけを歌っていない部分も共感できる。今回は、サッカーの話ではなく、英語科教員として、英語の勉強法について、研究からわかっていることと私見を交えて述べてみたい。

 

筆者は、英語学習者であり、英語教師である。中学から学校の授業として英語を学び始めた。その時は、I am Kumi.という単純な英語が理解できずに、4つ上の姉を相手に「私 です 久美」というのは意味が通じないではないかと、泣き叫んでいた。そんな筆者も何があったか、英語教員を15年ほど続けている。英検1級、TOEIC980, IELTS7.0など英語の資格試験を取得してきたが、それでも英語という言語を学び続けている。おそらく、一生続くのだろう。

 

冒頭に紹介した歌は、大事MANブラザーズバンド「それが大事」という歌である。若い読者の方々はあまり馴染みがないだろうが、1990年代を代表する曲の一つであると筆者は思っている。英語学習という観点で紹介した部分の歌詞を考えてみたい。

 

「負けない事」
:誰かと比べるのではなく、自分に負けない事。You Tubeなどの誘惑に打ち勝ち、英語学習をする時間を確保すること。結局は、やらないと英語に限らず何事もできるようにはならない。

 

「投げ出さない事 逃げ出さない事」

:投げ出す時があっても、逃げ出す時があっても良いと思う。そうして、少し距離を取ると、もう一度英語をやってみようと思える時が来るかもしれない。英語学習というのは、長期戦である。数日で英語ができる様になっているなんてことはあり得ない。ドラえもんの暗記パンのような便利道具はない。続ける意志というよりは、やめない事が大事である。語学教育研究には、「動機付け」という分野があり、多くの論文が発表され続けている。「動機付け」というのは、言い換えると、やる気である。やる気が出る時もあれば、出ない時もあるのが人間である。まして、日常生活の中で英語を喋らなくても生活できる環境(EFL環境とも言います)に入れば、学習の必然性というのを感じにくいというのも理解できる。「英語は必要だからやりましょう!」という言説も正しいが、「この課題は面白そうだからやりたい」ということでやる気が出ることもある。これをタスクモチベーションという。ある課題を解決したら面白そうと思えたら、それに対するやる気が出てくる時もある。

 

「信じ抜く事」 

:言い過ぎかもしれないが、誰かが薦めるやり方に踊らされるのではなく、自分にとって良い・効果的だと信じられるもの(先生)をやることである。個人個人で好みの学習スタイルというのがある。音・動き・視覚情報についての好みは人それぞれなので、誰かにとって有効な学習方法はまた別の誰かにとっては有効ではないかもしれない。

 

「涙見せてもいいよ それを忘れなければ」

:北星女子高等学校専門英語科では、これまで数多くの生徒を留学に送り出してきた。留学した生徒のほとんどは、留学先で辛い思いをしたはずである。涙で枕を濡らした夜もあったことは想像に難くない。留学というのは、英語学習において有効な手段の一つである。英語が日常生活を送る上で必要な言葉である環境(ESL環境とも言います)に身を置き、学校に通い、生活することは圧倒的な体験となります。留学を通して全般的な英語力が身につくことも多いとは思いますが、適切な言葉使い(専門的には「語用論的能力」と言います)が身につきやすいと言われています。Could you open the window?という英語の意味は「あなたは窓を開けることができますか」という言葉通りの意味以外に、「窓を開けてもらえますか」という頼み事をしていることの方が多いでしょう。実際に英語を使って、伝わった喜び、伝わなかった悔しさを経験することはきっと一生の財産となります。

 

最後に具体的な学習ツールを少しだけ紹介して、終わりたいと思います。

 

リーディング:

じゃれマガ

http://catchawave.jp/jm/

非常に短い英語で、読みやすいです。一例をあげておきます。

もし記事が気に入れば、購読申し込みをしてみてはどうでしょうか。

料金はかかりません。(2023126日現在)

 

2023126

Why are there so many fires in winter? One reason is heating. People use heaters to keep warm, but sometimes they put things near the heater, and those things catch fire. Fires burn fast and spread quickly in winter because the air is drier than in summer. I am a little worried because there have been two fires in my area of Nagoya this month. The first one was about 2 kilometers away. It was a big fire, and nine buildings burned down. Luckily, no one was badly hurt. Then, yesterday, there was another fire much closer to my apartment. One house burned down, but this time someone died. Be careful of fires this winter!

 

 

リスニング:

NHK ニュースで学ぶ現代英語

https://www2.nhk.or.jp/gogaku/gendaieigo/

NHKの国際放送を元にした番組です。

 

ライティング:

Write & Improve

https://writeandimprove.com/workbooks#/wi-workbooks

AIによる自動添削機能を利用した、ライティング練習ツールです。

 

スピーキング:

TED Ed

https://ed.ted.com/lessons?direction=desc&sort=featured-position

教育的に配慮がなされた映像を見ながら、字幕を出して、一緒に音読してみましょう。

 

発音:

Tim’s Pronunciation Workshop

https://www.bbc.co.uk/learningenglish/english/features/pronunciation

丁寧な解説と実例が非常にためになります。

 

 

 

日本は資源のない国だと思われてきましたが、近年になって日本の南鳥島周辺にレアアースが海底に大量に眠っていることが明らかになってきました。私はそのニュースに、日本の将来の希望の一部を見たような気がします。

レアアースとは何に使われるかというと、風力発電や高性能磁石、燃料電池などで必要とされていて特に、今後は電気自動車が普及してきた場合、とても大切な資源となります。そのため、円安などの影響で石油などの燃料を高く輸入している現在の日本にとって安定的な確保が急務です。

2018年に、南鳥島周辺の特に有望な海域 (2,500 km2) におけるレアアース資源量が世界需要の数百年分にも達することが明らかとなりました。南鳥島とはどこにあるかと

いうと、日本の最東端にある島で東京から南東に1950kmも離れています。この小さな島の周辺になぜレアアースが多量に存在することになったかをつきとめたのが、東京大学のグループでした。彼らの研究によると、まずレアアースがどれくらい昔のものかを調べたところ、およそ3450万年前にできたものだということが分かりました。この時代は、地球全体が温暖な気候から寒冷な気候へと急激に切り替わった時期として知られています。恐竜が絶滅した6,600万年前から現在までの新生代と呼ばれる時代のうち、前半は北極や南極にも氷床が存在しない「温室地球」でした。そして、3,400万年前頃を境に南極大陸に大規模な氷床が発達し、現在のように両極に氷床が存在する「寒冷地球」へと、地球の気候モードのシフトが起こりました。超高濃度レアアース泥の生成は、その最初の南極氷床拡大の時期と一致します。その温かく豊かな海だった南鳥島周辺にいた大量の魚が「寒冷地球」へと向かったときに大量に死骸となり、その骨に

海水に含まれていたレアアースが高濃度に蓄積していったと考えられます。

 レアアースは地球が有限であるために、石油や他の資源と同様にいつかは資源が枯渇してしまいます。そのことによって、紛争や貿易摩擦、戦争が起きています。しかし、全世界の人々は「宇宙船地球号」という巨大な一つの船に乗っていることを自覚しなければなりません。なぜなら、人間は非常に弱い存在であり自然の力には勝てないからです。6600万年前には、あの強い恐竜までもたった1個の隕石によって滅亡したのですから。

 

昔のアニソンや懐メロ特集のテレビ番組を見ていると、「修学旅行で歌った!」「友達にCDを貸してもらったな~」など懐かしさと同時にその当時の記憶が戻ってくることがあります。音楽の持つ力の一つに過去の記憶を蘇らせるというものがあり、特に10代の頃に聞いていた音楽は人生で最も記憶に残っているそうです。

言われてみると、高校時代に練習したピアノや声楽の曲は、すぐに思い出すことができますが、大人になってから練習した曲については細部まで自分の中に留まってはいないと感じます。最近はもっと酷く、1年前の発表会で演奏した曲の記憶すら危うい状況…年齢を積み重ねたせいでしょうか。

 昨年秋に、高校時代の友人と声楽の恩師のコンサートを聞きに行く機会がありました。同じ門下生で伴奏をし合う仲だったこともあり、コンサート前からレッスンの思い出話で盛り上がっていました。コンサートが始まり、うっとりと先生の声に聴き入っていましたが、数曲目に演奏されたイタリア歌曲を聴いた途端!『高校時代に先生にレッスンしていただいた曲』であることを思い出してしまい…それに付随する様々なエピソードがどんどん蘇ってきました。あの時、先生が熱心にご指導してくださったこと、当時の自分はどれだけ理解していたのか…先生ごめんなさい(涙!)

色々な思いが溢れる中、演奏が終わり隣に座っていた友人に「過去を反省したよ」とつぶやくと「私も」との答えが。楽しいことも大変だったことも共有できる友がいる喜びと共に、音楽の持つ力を強く感じた瞬間でした。

 思いもよらない場面で音楽と共に蘇る記憶は、10代の自分と今の自分を繋げてくれるものであると思うと、次はどのような音楽で何時の記憶が蘇ってくるのか、少しだけワクワクする自分に気付かされた出来事でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

PAGE TOP