学校について

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2021年度が始まって2週間、新入生はもちろん在校生も毎日笑い声が絶えない中で色々な予定を消化しています。4年生(本校では高校1年生のことをこう呼びます)は他の学校で宿泊学習と呼ばれているRoockies Campを今年は1日目を市内ホテルで2日目を校内で行いました。プログラムは盛りだくさんでした。1年生(中学生です)は、緑の教室という名付けた、これもまたプログラム盛りだくさんの一日をクラスごとに生活しています。これらのプログラムを通して友達を一人ずつ増やし、学校の歴史を知り、これから始まる学校生活を自分でイメージしていくのが私たちの学校の新学期です。校舎内が生徒の笑い声であふれている間に校庭はすっかり春らしく

なり始めています。毎年札幌市内で3番目に早く咲く桜が青空に映えて例です。桜の足元には水仙、そしてライラックのつぼみもだいぶ膨らんできていました。

新型コロナウイルスに負けない元気な春が札幌にやってきました。

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「大数の法則」         アスキュー・スティーブン

 

              人は大数の法則を理解するのにとても苦労します。行動の数が増えれば増えるほど、何かが起こる確率も大きくなっていきます。例えば、宝くじの当選確率を考えてみましょう。日本では、13,983,816分の1です。毎週約3,000万人が購入しているので、23人が当選することになります。これが当たり前なのです。これを勘違いしてしまうのは、「誰か」が当たる確率ではなく、「私たち」が当たる確率だと考えてしまうからです。

              宝くじ売り場の中には、たくさんの当選券を売ることで有名になるところがあります。地域のせいだとか、そこに住んでいる幸運なペットだとか、店主のせいだとか。しかし、これも大数の法則に過ぎない。その店で買ったから当選したのではなく、当選した人がその店でチケットを買った可能性が高いだけなのです。より多くの当選チケットを売っていることで有名な店があれば、そこにチケットを買いに行く人が増えます。そうすると、より多くの当選者がその店でチケットを買った可能性が高くなります。どこでチケットを買っても、当選する確率は同じです。

              こんな例を考えてみましょう。フロリダのディズニーランドの有名な写真があります。そこには2人の子供が写っています。では、何が特別なのでしょうか?その二人の子供は、その時はお互いを知らないのですが、14年後には結婚します。結婚した後、子供の頃の写真を見ていたら、この写真を見つけたそうです。

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     確率はどれくらいですか?100万分の11億分の1?すごいじゃないですか。そうですね。でも、数字の大きさを考えれば、驚くことではありません。1980年以降、ディズニーランドには年間平均1,500万人の人々が訪れています。61,500万人ですよ。同じ写真に写る人が2人必要なので、3億人としましょう。1億分の1の確率?ならば、3組のカップルが、出会う前の子供の頃の写真を持っていればいい。しかし、考えなければならないのはそれだけではありません。確率を高くするものがあります。I)子どもたちは学校に行かなければならないので、学校が休みの日にディズニーランドに行くのが普通です。つまり、2人の子供が同時にいる可能性が高くなります。II) 子供のいる人は、子供のいない人よりも、より多くの写真を撮ります。III)人々は、行ったときに複数の写真を撮る。写真が多ければ多いほど、2人の子供が同じ写真に写っている可能性が高くなります。IV)夫婦はお互いの子供時代の写真を見る傾向がある。これらのことを考えると、このようなことが起こらない方がおかしいですよね。

              私が大数の法則を好きなのは、そこにあります。どんなに確率の高いことでも、たくさんの人がいれば、必ず起こります。100億分の1の確率で何かが起こる?この2,000年の間に1,000億人の人々がこの地球上で暮らしてきたのですから、10回は起こっているはずです。これはすごいことですよね。 

 

People have a really hard time understanding the law of large numbers. As the number of actions gets larger and larger, the probability of something happening also gets larger and larger. Say, for example, the probability of winning the lottery. In Japan, it is 1:13,983,816. Every week about 30 million people buy a ticket, so you would expect about two or three people to win. Which is what usually happens. We misunderstand this because we think of the probability that “we” will win, not that “somebody” will win.

              Some lottery booths become famous for selling a large number of winning tickets. People put it down to the area, or a lucky cat, or the owner of the shop. But, it is just the law of large numbers again. People don’t win because they bought their ticket at that particular shop, there is just a higher chance that someone who wins will have bought their ticket at that shop. If a place is famous for selling more winning tickets, more people will go there to buy tickets. That increases the chance that more people that win will have bought their ticket there. You have just as much chance of winning, no matter where you buy your ticket.

              Think about this example. There is a famous photo of Disneyland, Florida. In it are two children. So, what is special? Those two children don’t know each other at the time, but 14 years later, they will get married. After they were married, they were looking at childhood photos and they found this photo. What is the chance? 1 in a million? 1 in a hundred million? Isn’t that amazing! Yes. But it shouldn’t be surprising, if you think about the large numbers. Since 1980, the Disneyland has attracted an average of 15 million people a year. That’s 615 million people. We need two people to be in the same photo, so let’s say 300 million people. A one in a hundred million chance? Then three couples should have photos that show them as children before they met. But that’s not all we need to think about. There are things that make the probability higher. I) Children have to go to school, which means they usually visit Disneyland during the school holidays. That means the chance of two children being there at the same time is higher. II) People with children take more photos than people without children. III)People take more than one photo when they go. The more photos, the greater the chance that two children will be in the same picture. IV)Married couples tend to look at each other’s childhood photos. So, if you think about all of these things, it would be stranger if something like this didn’t happen.

              And that’s what I love about the law of large numbers. No matter how high the probability of something happening, if there are enough people, it will happen. Something has a 1 in 10 billion chance of happening? 100 billion people have lived on this planet in the last 2,000 years so it should have happened 10 times! Isn’t that amazing!

       

              去年の春、娘が2匹のカタツムリを捕まえてきて、ベランダの箱の中で飼っていました。娘がカタツムリの匂いが苦手だと気づいてからは、エサと水を与えるのが私の仕事になりました。彼らはとても幸せそうに見えたし(カタツムリが不幸かどうかを見分けることはどうやってする?)、食べたり飲んだりするものも十分にあった。しかし、1ヶ月ほどで娘が飽きてしまったので、野生に戻しました。家の近くに使われなくなった病院があり、そこの庭はかなり荒れています。そこでカタツムリを放しました。私は数分間彼らを見守った後、彼らが新しい人生を歩むのを見守りました。

              それから1年が経ちました。昨日、散歩に出かけるまで、娘はカタツムリのことを一回も言っていませんでした。病院の庭を通りかかったとき、娘は突然、「カタツムリ、まだいるかな」と言いました。私はしばらく考えていました。カタツムリに降りかかる可能性のある様々なことを考えました。長くて寒い冬のことも考えました。娘と話しました。パパ、カタツムリは雪の中で何をしているの?” “カタツムリは何年生きるの?” “カタツムリはどこまで行けるの?何て言えばいいの?推測してみますか?冬眠するの?5年くらい?1日に500メートル?でも、間違っていたらどうしよう?だから、私は「わからない。でも、家に帰ったら調べてみよう」と言った。娘は満足そうに遊びに集中しました。

              今の世の中、「わからない」という答えがかつてないほど受け入れられています。情報が多すぎて、誰も完全に知ることができないのです。英語には “Know everything about one subject and a little about many subjects. “という言葉があります。私は、それはもう不可能だと思います。一つのテーマについてすべてを知ることはできません。だから、「わかりません」という言葉が一般的になってきています。それはそれでいいのです。“I’ll find out “で裏付けられていれば。なぜなら、インターネットや情報への即時アクセスのおかげで、それはとても簡単にできることだからです。私が娘に教えたいのは、そのことです。何か知らないことがあっても不安にならないようにしたいのです。好奇心を持って、調べてみるというスキルを身につけてほしいのです。

              因みに、カタツムリは冬眠します。何かに体を固定し、スライムを使って体を閉じ込めるのです。そして、暖かくなるまでそこにいるのです。ほとんどのカタツムリは23年生きます。カタツムリは1日に200mも移動できるんですよ。

It’s ok to say, “I don’t know.”                                 Steven Askew English teacher

               Last year, in the spring, my daughter captured two snails and kept them in a box on our balcony. Once she realized that she didn’t like the smell of them, it became my job to feed them and give them water. They seemed pretty happy (how can you tell if a snail is unhappy?) and they had enough to eat and drink. But, after about a month, my daughter tired of them, so I released them into the wild. There is a disused hospital near my house and the garden is quite wild and overrun. I released the snails there. I watched them for a few minutes and then left them to make a new life for themselves.

              A year has passed. My daughter hadn’t mentioned the snails until we went out for a walk yesterday. We were passing the garden and she suddenly said, “do you think the snails are still there?” I thought about it for a moment. I thought about all of the things that could have befallen them. I thought about the long, cold winter. We talked. “What do snails do in the snow, Daddy?” “How long do snails live for, Daddy?” “How far can snails travel, Daddy?” What could I say? Should I guess? The hibernate? About 5 years? 500m a day? But, what if I’m wrong? So, I said, “I don’t know. But, when we get home, let’s find out.” She seemed happy enough and went off to play.

              We live in a world where “I don’t know” is a more acceptable answer than it has ever been before. There is so much information that nobody can completely know it. There is a saying in English, “know everything about one subject and a little about many subjects.” I don’t think that is possible anymore. Nobody can know all about one subject. So, “I don’t know,” is becoming more common. And that is fine. As long as it’s backed up with “I’ll find out.” Because, thanks to the Internet and our instant access to information, that is something we can very easily do. And, that is what I want to teach my daughter. I don’t want her to be worried when she doesn’t know something. I want her to have the curiosity and the skills to go and find out.

              And, in case you were wondering: snails do hibernate. They fix themselves to something and use their slime to seal themselves in. Then they stay there until the weather warms up. Most snails live for 2 to 3 years. Snails can travel 200m in a day.

2021年度が始まりました。今年度の入学礼拝(入学式)は、新型コロナウイルス感染

予防のため、残念ではありましたが入学生徒のご家庭から1名の出席という制限を

設けて行いました。

今年の入学礼拝の内容もこれまで長年続けてきたものとは変わりましたが、新入生の

みなさんを迎える私たち教職員・在校生の歓迎の気持ちは少しも変わるところはあり

ません。

私は本校に入学する生徒のみなさんに必ず知って欲しいことがあります。今年も制限

のある時間内の式でしたが、聖書から2つのことを話しました。

聖書に次の言葉あります。

「あなたがたがわたしを選んだのではない。わたしがあなたがたを選んだ。・・・・・・、

わたしがあなたがたを任命したのである。互いに愛し合いなさい。これがわたしの命

令である。」~ヨハネ15:16・17~

皆さんたちの入学は「偶然」や「何となく」ではなく、神様が道を備え招いたと書か

れています。ですから本校に招かれた皆さんひとり一人に居場所があります。すぐ見

つかる人もいるでしょう。また少し時間がっかる人がいるかもしれませんが、必ず安

心して学校生活が送れる居場所が用意されています。

もうひとつの聖書の個所です。

「あなたがたはそれぞれ、賜物を授かっているのですから、神のさまざまな恵みの善

い管理者として、その賜物を生かして、互いに仕えなさい。」

~Ⅰペテロ4:9~11~

皆さんの中には自分には取り立てて優れたものはない。もしそれが本当だったらいい

なあ思っている人がいるかもしれません。しかし私たちの学校はこの聖書の言葉を信

じて授業、学校行事、部活動、奉仕活動を行って行きます。

最後に創立者スミスの願いが言葉になっにた『Shine like stars in a dark world(暗

い世にあって、星のように輝きなさい)』を紹介しました。

コロナ禍の今、創立者の願いは心に深く残ります。

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昨年度(2020年度)末に、PTA広報委員編集によるPTA広報紙「ほくせい」第147号が発行の運びとなりました。高校の卒業礼拝前日、および中学校の修了礼拝に合わせての発行でした。今回はこの「ほくせい」についてお話しします。

その名のとおり、保護者のみなさん手作りの「ほくせい」。

楽しんでいただけたでしょうか?手に取る生徒みんなに喜んで欲しい、楽しく読んで欲しい、またそれをご家庭で手に取ってくださる保護者のみなさんにも「北星ライフ」を様々な角度からお伝えしたい、そんな気持ちでPTA広報委員は、編集作業に携わってきました。

思い起こせばコロナ禍の4月、始業式・入学式をようやく終えて、さあ授業スタートだと意気込む間もなく、北星学園女子中学高等学校は休校を決断しました。そのときPTA活動は全く動き始めていませんでした。総会を行うこともできないままの休校。本来ならばGW前までに各クラスの委員が決まり、連休明けに総委員会が開かれ、各委員のお母さまがたの顔合わせ、活動計画の確認、活動がスタートします。その全てが、止まってしまった。

学校再開は6月でした。色々な制限がありました。密を避け、手洗いうがい、マスク着用、換気に配慮、そしていままで当たり前だったことの多くが「当たり前」ではなくなった日常のなかで、人と人との交流が大きく後退してゆきました。

秋が近づく頃やっとPTAのみなさんの顔合わせを行うことができました。広報委員を引き受けてくださった保護者のみなさんと2020年度の「ほくせい」をどうするか、ようやく相談する機会が持てました。

そこから、です。各学年でチームに分かれての編集作業を決めました。学年ごとに取り上げる学校行事を決め、紙面レイアウトを検討し、原稿依頼の封書作成、掲載写真の選択、寄せられた原稿をチェックし、印刷所から戻ってきた原稿の校正をする。広報委員のみなさんは幾度も幾度も学校に足を運んでくださいました。

コロナ禍の2020年度に、PTA広報紙「ほくせい」第147号を発行できたのは、広報委員を引き受けてくださった保護者のみなさんのおかげです。そして気持ち良く原稿依頼に応じてくれた生徒のみなさんのおかげでもあります。写真を提供してくださった千葉写真館と広報部写真担当の先生の協力で大変素晴らしい仕上がりになりました。どうもありがとうございます。

PTA広報紙「ほくせい」のバトンを2021年度に繋げることができます。

新年度のスタートです。新しいクラス委員の募集が始まっています。昨年度は出来なかった活動も今年度はその「可能性」を追求してゆくことになると思います。学校祭でのバザー、私学助成署名運動、PTA広報紙「ほくせい」発行など、活動は多岐に渡ります。

 どうか是非、PTA活動にご参加ください。生徒の生活する「学校」の様子をその内側から見ることのできる貴重な「場」、それがPTA活動なのだと昨年度のコロナ禍、改めて実感した次第です。Parent-Teacher Associationと申します。一緒に北星女子の歴史の一端を担ってゆけたらと願っています。

俳句と言えば、何となく古臭いイメージがあるかもしれませんが、最近は俳句が若い世代にもブームになっているのでしょうか?芸能人が俳句を作り、自分の作品が査定され、ランキングが発表される番組も人気のようです。私も学生時代は想像力を膨らませて小説やポエムの創作活動をしていた時がありましたが(昔の作品をふと発見してしまったときは本当に恥ずかしいのですが……)短歌や俳句のようなものは苦手でした。特に俳句は、五・七・五の十七音という限られた音数の中で表現が制限されてしまう感じがしました。しかし、最近は私の中でも俳句のブームがやって来ています。

私は昨年度、中学3年生の授業を担当しており、冬休み明けに俳句の授業をしました。俳句の決まり事の一つに「季語を入れること」というのがあります。(句の中に季語が入っていない「無季俳句」というものもありますが)冬休みの課題として生徒たちには、「冬または新年の季語を使った俳句」を二句創作してもらいました。作品を並べてみると、冬の情景を詠んだもの、家族や友達と過ごすお正月の様子、コロナ禍の世相を反映したものなど様々です。思わず笑ってしまう一句やほっこりとする一句……どの俳句からも生徒たちのみずみずしい感性が伝わってきます。生徒たちの作品を見ても、俳句には限られた字数の中でこそ広がる表現の面白さや余韻を楽しむことができることがわかります。

俳句の中で大きな役割を果たす「季語」ですが、これは言うまでもなく季節を表す言葉です。春夏秋冬、季節を表す言葉は自分の頭の中でいくつも出てきそうですが、ここで登場させたいのが「歳時記」です。「歳時記」とは、「四季の事物や年中行事などをまとめた書物」のことですが、「俳句の季語を集めて分類し、季語ごとに解説や例句を加えた書物」のことでもあります。書店の俳句コーナーの本棚にはたくさんの「歳時記」が並んでいます。手に取り、ペラペラとめくってみると、まだ出会ったことのない言葉と出会うことができ、それはまるで言葉の宝箱を開けるような感じがします。4月に入り、北海道もだんだんと暖かくなり、ようやく春を感じるようになりました。さて「歳時記」には、どのような春の言葉が出てくるでしょうか。

私が先日手に取った「歳時記」の中から少しご紹介します。

 

*「雪間(ゆきま)」… 積もった雪が溶けはじめて、地面がまだらになっている状態のこと。

☆雪国に住む私たちには、この景色が簡単にイメージでき、春がきた!と感じる風景ですよね。

*「雛納め(ひなおさめ)」…雛祭が終わり、元の箱に雛人形をしまうこと。

  ☆幼いとき、この雛人形をしまう時間が寂しかったことを思い出します。

*「朝寝(あさね)」…朝遅くまで寝ていること。

  ☆春のポカポカ陽気は布団から出られなくなりますよね。隣で寝ている幼い娘も気持ちよさそう

に寝ているので、余計に布団が恋しくなります。

 

私の4歳になる娘は、日々新しい言葉を覚え、あっという間に見事に使いこなせるようになっていきます。娘を見ているといつも新しい言葉との出会いにワクワクしている感じがします。新しい言葉との出会いは、大人になってもワクワクするもので自分の想像力を膨らませ、世界を広げてくれます。俳句の題材は自分の身の回りにたくさんあり、紙とペンさえあればいつでも始められます。『夏井いつきの365日季語手帖』のおわりには

「毎週一句を一年続ければ、それは週間日記です。さらに五年、十年と続けていけば、それは自分

史となり、家族史となっていきます。自分の生の証、家族と過ごした記録として、俳句は生き続け

てくれます。」

とあります。「歳時記」の中から言葉との出会いや素敵な言葉の響きを楽しみ、一句詠んでみませんか?俳句を作ることが自分の日常にあると、今よりも季節の移り変わりを楽しむことができ、日々の生活も彩り豊かになるかもしれません。

 

 

〈参考文献〉

夏井いつき『夏井いつきの365日季語手帖』(2020年)レゾンクリエイト

川上弘美『わたしの好きな季語』(2020年)NHK出版

 

 

 

 

北星では多くの植物から季節を感じられます。生徒玄関を上がった窓辺が植物にとって良い環境らしく、長持ちするので紹介の場として活用しています。雪解けとともに、木々の新芽は膨らみ、足元の新しい芽吹きが見られると窓辺がにぎやかになります。植物たちは葉っぱやつぼみの広がりだけでなく、開花はもちろん色や香りも私たちを楽しませてくれ、初雪の時期まで実りの収穫まで堪能します。もちろん、花盛りの時期を過ごした花々はドライフラワーやクリスマスリースとなり、さらに活躍します。

北星の校庭の素敵なところは、札幌市内でどこよりも植物が早く活動を始めることもあります。校舎に囲まれた植物たちは強風から守られ、気温も一定保たれ、のびのびすくすくと育つようです。桜もライラックも市内の開花宣言発表の前に開花します。北星では季節の先取りができ、その後、市内の開花により、長く季節の植物を愉しめるのです。それほど広い敷地ではありませんが、意外と多くの種類の植物があります。

3月・4月は式典が続き、ステージを華やかにしてくれた花々が久しぶりの生花として校内で楽しみ、その花たちが終わる頃から校庭の植物の出番となります。

 

これまで、窓辺を飾ってきた植物たちです。

クロッカス・スノードロップス・水仙・チューリップ・ヒヤシンス・紫露草

こぶし・木蓮・木瓜・桜・オオカメノキ・ツツジ・ライラック・エゾノコザクラ・アジサイ・夏椿・レンギョ・松・トウヒ・延珠・ドウダンツツジ・小手鞠・バイカウツギ

ぶどう・杏・桑の実・カリンズ・野イチゴ・リンゴ・アスパラ・

オダマキ・ホオズキ・マリーゴールド・桔梗・秋桜

ラベンダー・ヒイラギ・薄荷・バラ

 

おまけ:昨年、これまでに見たことのない植物を校内で発見しました。大変驚きました。今年も発芽することを願っています。楽しみにしていてください。

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久しぶりに中学1年生の授業を持ったので、自分の中学時代を振り返ってみた。中1の一番の思い出は盤渓にあったスクールハウスでの宿泊研修である。すでに建物は古くなっていたけれど、自然に囲まれた中でみんなでご飯を食べたり、夜はキャンドルサービスで静かに集中する時間があったり、授業担当以外の先生たちから話を聞くこともあった。屋根裏部屋(怖くて入ってない)もあった。同じ中央区内にあり、たった1泊だったけれど、秘密基地感もあって何とも特別な場所だった(だけど2泊は厳しい)。夜はクラスみんなで2階にある広間で寝る。初めは寝袋だったかな? 女子が30人以上もいて黙ってすぐに寝られるはずもなく、しばらくして先生たちが1階からやってくる。→ 怒られる。反省して寝るはずだけど、もう一回くらい怒られたような…。この辺の記憶が曖昧なのは中学の3年間でスクールハウスでの宿泊研修は5回くらいあったので、混ざってしまっているからだろう。毎回、夜は必ず怒られていたと思う(ごめんなさい)。スクールハウスについて教員になってから気づいたことがある。2階で話す声は1階にいる人にとてもよく聞こえること。かなり小さい声でも内容はわからずとも話しているのはすぐわかる。先生たちはずいぶん我慢して話させてくれていたんだ。それなのに気づかれていないと思って、楽しく小声で話していた。この小声で話していること自体がすでにおもしろくて笑える年頃であった。労作で山に道を作ったり、裏庭で北星カレーライスを調理したこともあった。食事の前の替え歌もあったっけ(突然変調して讃美歌が入る不思議な歌)。中学に入って初めて聖書を手にした私にとって、お祈りや聖書が生活の中にあることを頭ではなく感覚的に理解したのはスクールハウスでのすべてのプログラムを通してだったと思う。だから中学の緑の教室=スクールハウスは私のキリスト教との関わり方の原点となっている。

 

 もう一つ、中学の時の経験が私の原点となっていることがある。それは英語の授業だ。Nativeの先生の授業は中1の時に週一回だけだったが、それでも当時の中学校で学校内に常に外国人の先生がいて、毎週授業が受けられるなんて贅沢な環境だった。一人一人の発音を聞いて丁寧に教えてくれたセイビアス先生。アメリカ人の女性の先生で放課後にジャージを着てバスケットボールをするのを見かけたこともあったので活溌な先生だった印象がある。発音を褒められると嬉しくて、何度も練習した。発音に関しては日本人の先生たちもみなその都度、発音方法を説明してくれたり手本を聞かせてくれたので、カタカナをふることなく耳で覚えるようになった。小学校6年のときには英語を習いはじめていたので、もともと英語は好きだったけれど、親の勧めではなく、自分の意志で英語科に進みたいと思ったのは中3のときに自由研究で英語のスピーチに取り組んでからだった。当時は高松宮杯(今は高円宮杯)全日本中学生スピーチコンテストに出場し、思いがけず北海道大会で優勝して全国大会に行くことができた。この大会ではスピーチ発表自体の記憶よりも、全国各地から集まった中学生が引率の先生や親とも離れて1つの旅館に泊まり、関東にある大学の学生たち(日本学生協会基金=JNSA基金・スピーチコンテストのOBOGも多い学生グループ)が期間中のあらゆるサポートをしてくれた。私は秋田・石川・滋賀・京都・高知から来た中学生との6人部屋で、日本語を話すときにも方言と標準語を瞬時に使い分けていることに驚き、私が話す「~しょ」という語尾が方言であることを指摘されて初めて気づいたのもこの時だ(例「そんなことないっしょ」、「いいっしょ」など)。札幌は方言がないと思っていたから衝撃だった。夜は広間に(また広間)集まってまた部屋とは異なるグループに分かれてディスカッションをしたり、みんなで歌やゲームをしたり、大学生から学生生活のことを聞いたり、相談にのってもらったり。これは今でも忘れられない貴重な経験だった。英語を駆使して活動し、いろいろなことを知っている大学生を見て素直に「かっこいいなー、私もああなりたい!」と強く思ったし、もし関東の大学に進学していたら、その活動をしていただろう。全国大会では平均点しかとれなかったが、帝国ホテルのレセプションでは読売交響楽団による生の演奏を聴くなど、それまでしたことのない経験ができた。この時、自由研究で私のスピーチを担当し、スピーチ原稿を完成させ、毎日発音練習をしてくれた藤井先生、高校では秋元先生と吉田雅子先生、中1の時に教わった故 斎藤康子先生、北星でたくさんの英語の先生に習えたことは幸運であった。中学の英語(と数学)の授業では北星のオリジナル教科書を使い、年に1回、英語のスキットやレシテーション、スピーチを発表する英語フェスティバルみたいな行事もあり、そのひとつひとつが今の私の財産である。

 みなさん、こんにちわ。日本史教員の山川です。今日は、1901年に発行された『報知新聞』の記事を紹介したいと思います。明治時代の資料ですので、読みやすいように口語訳にしています。御了承ください。

 今から120年前の1901年、報知新聞は街頭でアンケートを実施しました。そのアンケート内容は、『百年後、世の中はどのようになっていると思いますか?』というものでした。

 では当時の人の意見の中で、当時は空想であったものが、どれくらい現実のものになったのでしょうか?1番や11番に書かれていることはスマートフォンで、また2番や12番に書かれていることもデジカメとインターネットの登場で実現可能になりました。また8番も名前は違いますが、エアコンのことです。その他、10番や14番、19番、20番、23番などの予言も実現しています。

 しかし全ての予言が的中したわけではありません。3番や4番、6番や7番などは、まだまだずっと先の未来にならないと実現しないと思われます。

 余談ですが……日本テレビの『世界の果てまでイッテQ』という番組で、絶滅危惧種のスペインオオヤマネコに、イモトアヤコさんが『ニャウリンガル』という翻訳機を使い、「数が減ってきて寂しくないですか?」と聞きました。そうしたらスペインオオヤマネコが「ミャー、ミャーミャー」と言ったので、その言葉を翻訳機で聞き取ると、「ピンチだニャー」という答えが返ってきました。21番の実現も近いかもしれません……()

 中学生と高校生のみなさん。みなさんは100年人生時代に生まれています。みなさんの中には、ドラえもんの世紀である22世紀を見れる人がいます。22世紀はどんな時代になっているのでしょうか?100年後を予言してみるのも面白いかもしれません。『人間が想像できることは、人間が必ず実現できる。』byジュール=ヴェルヌ!!

百年後の予言

北星学園女子高等学校

校 長 浅里愼也

3月2日(火)卒業礼拝式が行われました。昨年に続きコロナ禍による簡略した卒業礼拝式となりましたが、177名の卒業生が巣立っていきました。受験あるいは留学のために式に出席できない生徒たちもいましたが、笑顔と喜びいっぱいの時となりました。

卒業礼拝式後、高校3年間あるいは中学高校6年間を過ごした生徒たちから「入学して本当に良かった」「自分らしく過ごせた」「想像していた以上の学校生活だった」という学校生活の感想を言葉にして伝えてくれました。私たち教員にとってこれ以上嬉しい言葉はありません。

本校で生活する中で悩み、時には涙し、友達と喜びを分ち合い、その度ごとに成長した生徒たちの姿がそこにありました。

生徒が自分の将来を考え目標を持ち、目標とする大学や専門学校に合格できたことは素晴らしいことです。しかしそれ以上に、自分の将来を考え学校生活を送り、自分自身を見つめることができる女性として卒業していくことを私は嬉しく誇らしく思います。卒業心からおめでとう!!

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